労働条件整備と就業規則作成で人材不足を解消、生産性も向上
代表者:渡辺 昌樹(わたなべ まさき)
住 所:山梨県富士吉田市小明見1丁目12-18
連絡先:0555-72-8555
自動車板金塗装を手掛ける同社の技術力は高く、受注もある程度の伸びがあるが、人手不足から受注能力の限界を迎えていた。今後の売上拡大に向け人材採用に踏み切ったが、縁あって入社した社員がなかなか定着しない。相談者が取引先金融機関の担当者に相談したところ、「労働時間や休日、休暇、給与などが記載されている就業規則があれば、採用希望者に具体的な就業イメージを伝えられるようになり、結果定着が進むのではないか」とアドバイスされ、当拠点を紹介された。そこで、相談者は、就業規則を整備し人材定着を図りたいと相談に訪れた。
Coは、就業規則の整備にあたり、同社の始業終業時刻、休憩時間、稼働日数、残業時間数、有給休暇付与等の情報に加え、疾病時の扱いや慶弔の取扱いなど日常的に運用されている事項を確認。「労働関連法で義務付けられているが、同社には現状ルールがない制度の整理と構築」が課題であった。そして、厚生労働省のモデル就業規則を基に、洗い出した同社の労働条件や制度をあてはめたり、モデルに記載された法定外制度の採否を検討したりしながら策定作業を進めていった。
小規模事業であっても法定の労働条件をしっかり確保していることを社員や求人応募者に説明できることが、良い企業風土のアピールにも繋がると助言。新たな就業規則の作成を支援するにあたり、法定の最低基準は確保しながらも、会社の実力以上の規程とならないよう留意した。加えて、就業規則制定届、時間外・休日労働に関する協定届(36協定)といった各種届の作成や各署への提出もサポートした。
就業規則、時間外・休日労働に関する協定届(36協定)、労働条件通知書などが完成し、労働基準監督署への制定届の提出も完了。その後、ハローワークからのトライアル雇用や、WEBサイトや知人紹介等により応募があり、そのうち技能習得意欲のある女性2名を雇用することができた。「法定の労働条件を確保している企業であること」、「子育て(育児休業法の規定を上回る配慮)など個々の事情を考慮し、短時間勤務等の配慮を行っていること」など、労働条件の整備、明文化により社員の士気も上がり、採用した女性2名は、塗装時のマスキング作業や顧客引き渡し時の仕上げ作業なども習得し、生産性向上に寄与している。