相談者の熱い想いを尊重した業務改善により売上前年比30%アップを達成
ピアノの調律・修理・中古販売業として2016年に創業。代表者は大手楽器メーカーの調律師として長年勤務し、「ピアノを使うすべての人に上達してほしい」という熱い想いを持つ。誠心誠意のサービス提供をモットーとし、調律技術はもちろん、丁寧で心のこもった接客に定評がある。
代表者:代表 田口 望(たぐち のぞみ)
住 所:〒753-0001 山口県山口市宮野上2922-3
連絡先:083-976-4780
創業後3年が経過して売上が頭打ちとなり、業務の進め方や経営全般について悩みを抱えていた。当初はウェブサイト開設に関する相談で当拠点を訪れたが、拠点では多種多様な専門家の支援を受けられると知る。そこで、COと一緒に売上の伸び悩みの原因を探し出し、一つひとつ解決をしながら売上拡大を目指すことを決意して、相談に至った。
COのヒアリングにより、相談者は調律師としての理想を追求する想いと経営者として効率を追求するべき立場の間で揺れており、ウェブサイト上の訴求ポイントも不明確となっていることが分かった。また、事業専従者である妻との業務分担ができていないうえ、調律修理の基本である5Sも徹底されておらず、業務全般で効率的な運営ができていなかった。そこでCOは、事業コンセプトの設定と業務改善を課題として設定した。
まず、事業コンセプトについて、専従者である妻とよく話し合うよう相談者に提案。その結果、効率を優先したい顧客の立場を理解しながらも、調律師としての熱い想いを正直に伝える「丁寧な調律」を事業コンセプトとした。それに基づき、相談者自身にマーケティングの基本要素を整理し、戦略を立案するための4P分析を行ってもらった。さらに、作業場の改善や、5Sの徹底、集中タイムの設定など、生産管理手法の導入を提案した。
支援開始後から相談者の意識が変わり、妻との業務分担のための作業状況表を作成するなど、改善に積極的に取り組んだ。また、「丁寧な調律」を事業コンセプトと定めたことで、顧客対応にも自信が持てるようになった。相談から2か月後には受注が伸び始め、売上が前年比で30%アップ、営業利益は60%アップを達成した。今後も業務効率化と顧客満足度向上を進め、事業を拡大させていく。
相談者は儲けや効率より顧客のピアノの上達を第一に考える根っからの調律職人のため、「改善に時間を要しても相談者の想いを大切にしたい」という相談者の気質を理解した改善案を模索した。生産管理のアドバイスは、シンプルで簡単に理解できる内容に努めた。
COの皆さまからの私自身の想いを大切にした提案や助言により、改善の励みになった。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。