新たなレンタル向けモーニングの開発とビジネスモデルの転換で収益アップ
代表者:小田 一城(おだ かずき)
住 所:徳島県吉野川市鴨島町知恵島1586-4
連絡先:0883-24-6208
結婚式場や貸衣装業を営む相談者。結婚式関連の売上が全体売上の中心を占めている。しかし近年、県内では婚姻数が減少し、結婚式を挙げないカップルも増えたことで、売上高が大幅に減少していた。危機感を抱いた相談者は、趣味嗜好や流行の影響を受けにくい男性用礼服(モーニング)を中心としたインターネット貸衣装業をスタートさせたが、競合他社との価格競争で収益が低下。今後の継続にあたり、競合他社に打ち勝つための具体案がないことから、当拠点に支援を求めた。
モーニングの貸衣装業は、メーカー2社がほぼ独占供給であり、趣味嗜好や流行の影響を受けにくいものなので、どこで借りてもほぼ同じ商品。このままであれば、価格勝負となることは避けられない。そこでCoは、「他社との決定的な差別化をはかること」が大きな課題であると分析した。
貸衣装のモーニングは、多様な体型に対応することを優先しており、現在の主流である細身のシルエットのものが少ない。そこで、多彩なデザインを豊富なサイズ展開でそろえた「顧客目線の商売」をすることで、他社との違いを打ち出すことを提案。さらに、自社で商品を開発→製造→販売(貸す)するSPA(製造小売)への業態転換を提案した。相談者は自身の人脈から商品開発を任せられる業者を開拓。同時に、開発費や製造費については、吉野川商工会議所が提案した「ものづくり補助金」の採択で資金繰りのめどもついた。
完成した貸衣装のモーニングは今までにない細身のシルエットで、他社との違いが明確になっただけでなく、自社製品であることから値段も自社で決めることが可能となった。SPAという言葉で新たな展開を感じてもらいつつ、ものづくり補助金や金融機関の融資をスムーズに行えるよう支援したことで、資金繰りのめどがつき、相談者も前向きに新事業に取り組むことができた。現在、新たにディレクターズスーツの開発に向けて支援を継続中。