警察官を脱サラした元プロボクサーが滋賀県初の本格的ボクシングジム創業
元プロボクサーから警察官という異色の経歴を持つ相談者。40歳になったのを機に長年の夢であったボクシングジムの創業を志していた。「プロを目指す選手、競技者の育成」を目指し、これまで県外のジムに流れていた選手や競技者を呼び入れるため、アクセスのよい大津市での開業を想定。自己資金も用意し、自分なりの事業計画を立案した上で当拠点へ相談に訪れた。
Coが相談者の事業計画をもとにヒアリングしたところ、初めての創業に向けた取組みということで、相談者が作成していた事業計画はまだ精査されておらず自己資金だけで事業を始めようともしていた。また、相談者はアクセスのよい大津市内での開業を考えていたが、駐車場や施設の広さなどで好条件の物件を見つけるのが難しい状況であった。しかし、一方で外部環境を見ると、滋賀県内には本格的なボクシングジムが少なく、大阪や京都に通う方が多いことから立地条件がよければ一定の需要は確保できると判断。そこでCoは、創業に向け「ターゲットを想定し立地条件を明確化した事業計画の作成」が課題とした。
Coは立地探しについて、駐車場さえ確保できれば同県内からのアクセスは問題なしと判断し、当初の大津市から守山市(滋賀県)まで候補地エリアを広げることを提案。また、自己資金については最悪の状況を考え、なるべく手をつけないことが賢明であると説得し、金融機関から創業融資が受けられることを説明した。当初の事業計画には計上されていなかった「人件費」もきちんと計上するよう助言。さらに、ゆくゆくは選手育成を目指すにしても、滋賀県で唯一のジムには、当初はボクシングのファンを増やすためにも男女を問わず受け入れる役割があるのではないかと提案した。
候補エリアを広げたことで駐車場6台分付きの物件を草津市(滋賀県)に見つけて無事契約。また日本政策金融公庫より融資も受け、自己資金を残しつつ創業資金を確保した。さらにコンセプトを「競技者育成+ボクシングダイエット」に切り替え、女性専用の更衣室、トイレ、シャワールームを設置。そして平成30年9月ついにオープン。ボクシング不毛の地で2024年に国体開催を控えた滋賀県で初のボクシングジムができたこと、「元プロボクサーで元警察官」がはじめたジムというニュース性、門戸を広くしたという話題性もあって、地元紙の京都新聞に大きく取り上げられ、問い合わせが殺到するという好スタートを切ることに成功した。