ベビー用品専門クリーニング店の挑戦
プロモーション活動の強化で売上前年比120%達成
代表者:小林 勝彦(こばやし かつひこ)
住 所:埼玉県北葛飾郡松伏町松伏3439
連絡先:048-991-0858
相談者は平成28年、ベビーカーやチャイルドシート等のベビー用品専門クリーニング業を本格始動。それまで10数年営んだリサイクル店で不衛生な中古ベビー用品を取り扱った経験から、赤ちゃんに安全安心なクリーニングの需要に着目し、新ビジネスモデルの創出に挑戦した。しかし前例のない市場で自分のアイデアをビジネスとして確立するには、一人親方的な経営では限界があることを痛感。新事業を軌道に乗せるための実践的なアプローチ手法を探るべく、知り合いのクリーニング店から紹介された当拠点へ支援を求めた。
Coの調査によると、国内におけるベビーカーの年間販売台数は60~70万台、対する相談者のクリーニング取扱件数はわずか1%にも満たず、需要は十分あると分析。「注文はホームページからのBtoCが注文全体の9割と圧倒的な占有率であるのに、店にはITに詳しい人材が不在である」という問題点を指摘した。そこでCoは、「ベビー用品に特化したクリーニングサービスを利用したい層に知ってもらうための、ネットを通じたプロモーション活動の充実」が課題であると指摘。ニーズに対応するベネフィットや同事業の強みを発信していく必要を訴えた。
Coは、ベビー用品専門クリーニングという差別化ポイントが簡潔に伝わる「ブランド名やロゴを作り、多角的なプロモーション活動で拡散することを提案。また作成したロゴを商標登録するよう、連携支援機関である「埼玉県知的財産総合支援センター」にサポートを依頼した。BtoCへの対策としてホームページはスマホ対応を検討し、あわせて関連ワードでの検索でもヒットするようSEO強化、さらにはSNSの連携や活用を提案した。そして事業への信用力を高めてBtoBを増やすため、法人化への移行や経営力向上計画の承認申請、「世界を変える起業家 ビジコンinさいたま2018」への応募もアドバイスし、日刊工業新聞社賞、イオンリテール賞などを受賞した。
数々の施策を実行していった結果、新サービスは子育て世代の間に少しずつ認知され、取次店は埼玉92店舗、東京48店舗、茨城30店舗、千葉14店舗(平成30年10月1日現在)に拡大。業界としても熱を帯び、競合他社も乱立し始めたが、先行優位性と高い品質のもと売上は順調に伸び、前年比120%を達成した。当拠点が提案した「小規模事業者持続化補助金」や「経営力向上計画」も無事、採択・承認。BtoBを見据え新たな販路拡大に奮闘中である。