日本の伝統文化「いけばな」を事業化海外展開も実現し売上130%増
代表者:須田 寛子(すだ ひろこ)
住 所:新潟県新潟市中央区川端町3-20-701
連絡先:090-4526-5344
池坊華道会の中央委員として活動するなかで、日本古来の伝統文化である「いけばな」を将来に向けて伝えるため、「伝承の事業化」の必要性を感じていた相談者。「いけばなを伝え、広げる」ための事業構築に取り組もうとするが、何から手を付けてよいか分からず、当拠点へ相談に訪れた。
伝統や格式が重んじられるいけばなの世界。特に若者には、関わるには格式が高い世界と映りがちである。Coは、これまでのように特定の場所でいけばな教室を開催するだけでは広がりが期待できないと分析。事業化に向けては、「既存の手法にとらわれず格式の高さを感じさせないサービスを展開する事業フレームを構築すること」が課題であるとした。
相談者へのヒアリングから、いけばなの世界には「花の命を最後まで見届ける“花守”という営み」があることを知ったCoは、フラワーアレンジメントとは一線を画すことを示すため、事業名に「花守」という言葉を使用することを提案。葬儀やブライダルの場にいけばなを提供する事業展開も提案した。さらに、いけばなを身近に感じてもらうため、地域イベントなどでのワークショップ開催も提案。それらの事業資金調達には「小規模事業者持続化補助金」を活用することをすすめ、相談者の経験を生かしたロシアでの事業計画作成の支援にもあたった。
相談者は、いけばなを「サービス」として提供する「花守」事業構築に着手。ターゲットを絞ったイベント参加やワークショップ等の実施により、企業セレモニーや各種展示会、葬儀、ブライダル、さらに日本料理店への定期的な生け込みなどで、対企業向けの売上が増大。支援前に比べて130%以上の売上アップが実現した。また、当拠点が申請支援した「ロシア沿海州地方でいけばなワークショップ実施といけばな文化を通じた日本産花卉および華道具の販路を開拓の事業計画」も、小規模事業者持続化補助金に採択。現在は、いけばなとその周辺の日本文化を輸出する下地づくりにも着手することができ、ロシアに向けた日本産切り花の輸出事業も展開中だ。