100年企業の事業承継「育ち・育てる」次の100年とその先へ
大正12年から多種多様・高品質なリネンサービスを提供。巴屋グループは「みんなが笑顔になるために伸化し続ける」を企業理念とし「すべての人に今以上をつくりだす」企業として進んでまいります。
代表者:武田 揚介(たけだ ようすけ)
住 所:〒399-0014 長野県松本市平田東2-7-1
連絡先:0263-86-0316
巴屋(巴屋グループの中核)の後継者である相談者(相談当時、巴屋子会社である同社専務)は、幼少期からリネン工場と関わってきた。100年を迎えるこの事業をいずれ託される、そんな周囲の期待を背負いつつ、社員の幸せのため、笑顔のため「新たな組織づくりで進化を図りたい」という思いを温めてきた。現状は、相談者自ら学卒社員を育て、定着率を向上させるなど成果を上げている。しかし、事業承継や人事制度、社員育成の課題は多岐にわたり苦心しており、松本信用金庫を通して当拠点へ相談に訪れた。
COは相談者と面談し、すぐに制度を作らず同社を含めた巴屋グループの3代目社長と4代目となる相談者の互いの強みを生かした「思いの事業承継」から着手することを検討。まず、3代目社長、相談者、幹部に「これから取り組みたいこと」をヒアリングした。相談者には「巴屋グループと従業員のよりよき未来のため、変わらなければならない」という思いがあり、未来への道のりが明確に見えていた。それを見守る3代目社長は「変わらなければと自分も先代に直言し制度をつくった。これからも変わらなければならない」と、歴史を紐解き変わる必要性を語ってくれた。そこでCOは、それぞれの真摯な思いを軸として事業承継を進めることにした。
同社を含めた巴屋グループの「100年企業の人事ブランディング」を提案。まず、毎月の人事委員会を発足。幹部が徹底的に検討を重ねた。当初、人事制度と社員育成が議題だったが「人が入らなければ育成もできない」と採用に着手し、年間休日数を増やした。また、幹部の成長を促すためポリテクセンター長野に委員会参画を要請。幹部自ら評価制度を策定、運用し勉強会を行った。中長期計画には幹部も社員も「育ち・育てる」を掲げた。令和5年9月に巴屋グループ創業100年を迎え、相談者が巴屋の社長に、同社社長には同社の部長が就任。親会社・子会社ともに事業承継が完了した。
働く喜びがより分かち合える職場の「新化」など、社是に四つの「シンカ」が加わり人事ブランディングも進化。自ら社員説明会を企画、実行するなど中堅幹部の成長が著しく、社員の成長も報告されている。「シンカ」の結果、事業承継を完了し、同社の売上は前期比較で121%。巴屋グループは前々期と比較し、前期120%といずれも2割増。また同社の年間休日を23日増やして制度改正を行った結果、ハローワークから8人採用ができた。巴屋グループ全体では、令和4年に直営店舗38店舗と事業拡大しており、コインランドリー事業やフランチャイズ事業もスタート。今後も笑顔と「シンカ」のため、次の100年、その先へつながる支援を予定している。
● 100年の歴史とその歴史を紡ぐ思いを尊重
● 承継当事者と幹部の強みが相乗効果を生む支援
● 幹部の学びや課題への自由な提案を促進
ありたい未来を伝えるだけでなく、その未来を達成するための働き方を一緒に考える「社員と共に考える大切さ」を実感しました。人事制度導入により新卒者にも自分の将来の見える化をしてもらえました。100年後も続く企業にするため、社員が自らやりたいことを後押しするトップでありたいと思っています。