Iターンでの開業直後から目標の120%の売上げを達成
東日本大震災を機に移住を決意した、整骨院を営む相談者。生活環境の良さに惹かれてIターンで開業した地は、山口県山口市だった。ゆかりのない地での不安な開業に、強みを活かすターゲット戦略と緻密な広報宣伝で挑む。
代表者:斎藤 匡寿(さいとう まさひさ)
住 所:山口県山口市本町1-1-13
相談者は、東京などで整骨院を開業していたが、東日本大震災を機に移住を決意。平成2 7 年10月に山口県が都内で開催した「UJIターン創業セミナー」に参加し、山口市の担当者の丁寧な対応に心が動き、候補地を選定。
現地を訪れ生活環境を確認した後、市から空き店舗や支援制度などの紹介を受け、平成28年1月にIターン移住することになったが、ゆかりの無い地方都市に移住して整骨院を開業することに大きな不安はあった。
そうした思いを山口市の担当者に相談したところ、当拠点のことを紹介され来訪に至った。
初回面談で担当コーディネーター(以下CO)が、Iターンの経緯や事業に対する想いなどを聞く中で、優れた技術力や経験、顧客層の分析、施術の種類などを丁寧に確認していった。
特に大きな強みと判断したのは、相談者が『からだのソムリエ』と呼ばれるワインのソムリエの舌のように、鋭敏な指先の感覚で、レントゲンやMRIでもわかりにくい筋肉の微妙な変化を見つけられる技術を持ち合わせていたことだ。
また、相談者の店舗立地条件や市場規模・動向、近隣競合店の調査分析を行なったところ、競合事業者の施術内容は、簡易なマッサージや器具を使用した治療、女性をターゲットにした店舗であり、本格的な治療を望む顧客の潜在的需要はあると予測ができた。
相談者とCOで協議を重ね、ターゲット顧客層は、交通事故などによるむちうちなどで本格的な治療を要する人や、不眠症・頭痛・首の痛み・肩こり・腰痛・膝の痛みなど、生活するうえで慢性的な治療を要する人たちに特化することにした。
定めたターゲットに向け、当拠点のデザイナーでもあるCOの助言を受け店頭看板を整備。併せて、広報宣伝として、当拠点のIT担当COの助言を受け、SEO対策を施したHP・Facebook・YouTubeのコンテンツを作成した。
宣伝の触れこみとしたのは、事業者の整骨院が「山口県のUJIターン創業セミナー受講者」で創業の第1号ということ。この話題性を使い、県や市と連携してプレスリリースを実施した。
地方局2局、全国紙1社、地方紙1社の取材を受け、店舗がマスコミで報道されたことで一気に認知度が上がった。
SEO対策を施したHPは、主要検索エンジンで、「山口市 整骨院」で検索するとトップに掲載されるほどになった。
支援の結果として、初年度売上げにおいて当初の事業計画の120%を達成することができ、Webサイトからの受注がその約50%を占めている。
相談者は「看板やホームページの作成支援を受けたことが、集客に繋がった。今後も自分の技術で地域に貢献したい」と語った。