パッケージデザインの刷新と外注で 社内の生産性を高め、収益増を達成
平成6年創業。京都の老舗メーカーなどからの委託製造を手がける仏用線香、趣味のお香メーカー。工場の直売所や道の駅で販売するオリジナルブランド「良い香りのお線香」「熊野古道のかほり」は香りごとにデザインされた華やかなパッケージが特徴で、お土産としても人気を集めている。
代表者:脇村 正次(わきむらしょうじ)
住 所:〒649-0301 和歌山県有田市下中島35-1
連絡先:0737-88-5775
同社は、贈答向け、お土産向けの商品「熊野古道のかほり」、「良い香りのお線香」のほか、地元客の日常使用を想定した商品「ふだん使いのお線香です」を安価で販売していた。各製品とも順調に販売を伸ばすが、当初大量販売を考えていなかった「ふだん使いのお線香です」は、自社内のプリンタで印刷したパッケージをスタッフが手作業で箱に巻き付ける作業が必要で、製造に人手と手間がかかっていた。このパッケージを外注し、製造工程の効率化を図るために、当拠点にアドバイスを求めた。
「ふだん使いのお線香です」は、そのネーミングの親しみやすさもあり、毎日お線香を使う人、お寺などを中心に人気を集め、リピート客も多かった。ただその製造の手間に加え、安価な価格設定により、販売増が収益増にはつながっていなかった。その解決策として、印刷されたパッケージ導入による製造工程の効率化、収益改善のための値上げを考えたが、“手作り感あるパッケージ”の変更や値上げは、魅力の喪失やリピーターのとまどいにつながり、販売減となるリスクも想定された。
同社とCOとの話し合いの結果、「リピーターのとまどいを防ぐため、現状のデザインを踏襲した印象を維持すること」「値上げしつつも『それでも安い』ことがわかる適度なデザイン性」という認識で両者が一致。複数回にわたりデザイン案を検討した。さらに店舗での商品の並べ方、POP、新旧製品入れ替えのタイミングなど、多面的な確認と改善を継続的に行った。同社がもともと豊富な経験、販売知識を持っていたため、相談もアドバイスの反映も順調に進んだ。
同じ色調、手作り感を維持した「ふだん使いのお線香」の新パッケージは、従来のパッケージデザインと親和性が高く、リピーターにもひと目で“同じ商品”と理解してもらえた。また商品価格を15~20%値上げしたが、販売数量は増加、売上高は相談前に比べ、30%以上の増加となった。商品の取扱い店舗は増えてはいるが、販売エリアはまだ近隣にとどまっているため、COは今後、県内での販売店舗の増加、さらには同一店舗での販売数増をめざす施策などの支援を継続して行う。
パッケージ変更で売上減にならないよう、同じ商品と理解してもらえるデザインを重視しました。また陳列時の見え方や、新旧商品が混在しない売り場づくり、POPの内容など、パッケージのデザインにとどまらない総合的な販売促進により売上増につながることを意識して支援を行いました。
社内にはデザインに精通している人材が不在で、パッケージ変更についてどのように考え、進めていくかさえわからない状態でした。きっかけは出張相談会で、そこから定期的に相談に乗っていただき、親しみあるパッケージが完成し、順調な滑り出しとなりました。お客様からもたいへん好評です。細かいご支援、ありがとうございました。