「洗える3D布マスク」の製造・販売を実現 2ヵ月で15,000セットの販売達成
1975年に創業し、1990年に法人化。工業用ミシン70台を保有し、高い立体縫製技術を強みとしている。主力製品は、痛みの緩和や予防に向けた膝・腰用サポーター等の健康用品、婦人用カットソー、男性用下着。下請け製造が主だが自社ブランドも保有している。
代表者:代表取締役社長 灘口 茂郎(なだぐち しげお)
住 所:〒680-0454 鳥取県八頭郡八頭町石田百井62-14
連絡先:0858-73-0234
新型コロナウイルスの影響により、使い捨て不織布マスクの品薄が発生。そこで同社は、困っている人々にマスクを供給したいという想いで、培った高い縫製技術を生かした「洗える3D布マスク」の製造を決断した。販売にあたり、商品表示や販売方法等で悩んでいたところ、商工会産業支援センターの紹介により当拠点に相談に訪れた。
「洗える3D布マスク」は、使い捨てフィルターを消費者自身が装着することで、最大限の感染症対策を実現した商品である。販売時は、医療用には使用できないことやフィルターの装着方法について、十分に周知する必要があった。また、市町村等から一定数の受注の目途はたっていたものの、同社は一般消費者向けの販路は持っていなかった。そこで、わかりやすい取扱説明書の作成と、BtoCの販売方法の確立の2点を課題と設定した。
まずはデザイン担当COとともに、WEB相談を用いて取扱説明書のイメージを検討。鳥取県産業振興機構の医療技術関係の担当者も招いて、日本衛生材料工業連合会の自主基準を参考に作成した。また、BtoCの販路開拓は、ウェブサイトを活用することを提案。IT担当COは、既存ウェブサイトの改良や受注管理システムの作成を、低コストで実施できるよう支援した。さらに商工会と連携し、コロナ関連補助金を申請、県認定第1号として活用した。
「洗える3D布マスク」は、4月~6月にかけて合計約15,000セット(小売価格770円/セット)を販売。特に夏用マスクや、地元服飾小売店とコラボした商品は人気が高く、品薄状態が続いている。今後、新しい生活様式の定着につれ、マスクは感染症の拡大予防目的のみならず、ファッションアイテムとしての要素も持つことが予想される。そのため、長期的に、安定生産できる体制の確立を目指している。
マスク不足に対応するため、できるだけ早く商品を供給する必要があり、複数のCOが短期間に相談回数を積み重ねて対応しました。商工会とも密に連携し、経営支援専門員がこまめに同社事業所を訪問することで、進捗確認や情報提供を実施しました。
商工会とよろず支援拠点との連携で、布マスクを地域の顧客に提供でき、マスク不足解消の一助を担うことができました。結果的に、コロナ禍の影響で減少した受注を補い、事業の安定継続にもつながりました。また、マスク製造販売をきっかけに、高い技術力をアピールできました。