COの提案で持てる技術が開花、 新製品開発と新たな販路の開拓で成長へ
昭和63年、和食職人を集め、魚の切り身などを卸売りする事業者として創業。平成13年にレストランや割烹のレシピを忠実に再現する「料理のアウトソーシング」をスタートする。ホテル、結婚式場、給食、おせちなど、手間のかかる料理を原材料調達から調理、発送まで、安全と美味しさを両立しつつ、一貫して引き受ける。
株式会社 鹿祿
代表者:明慶 美香（みょうけいみか）
住 所:〒770-0873 徳島県徳島市東沖洲1丁目5番地4
連絡先:088-664-8601
目次
- コロナ禍で既存取引先の事業が不調となり売上が大きく減少
- 地元特産品「なると金時」とのマッチングで新商材開発へ
- テイスティングを重ね新商品が誕生、知名度向上の支援も
- 新商品第二弾も好評、新卒採用でさらなる開発力、品質向上を
コロナ禍で既存取引先の事業が不調となり売上が大きく減少
同社の主力事業である「食のアウトソーシング」は、料理の完成品、もしくは下ごしらえまで済ませた食材や出汁など、顧客の要望に応じ柔軟に対応することが可能で、熟練スタッフの人手不足に悩むホテルやリゾート施設、朝の給食の準備が困難な病院施設で好評を得ていた。しかしコロナ禍の到来で、ホテルは稼働率が低下。病院施設も病床のコロナ対応転換があり、売上が大きく落ち込んでしまい、事業再構築の必要に迫られることとなる。そこで相談者は新たな販路を開拓すべく、当拠点を訪れた。
地元特産品「なると金時」とのマッチングで新商材開発へ
COは同社の製造技術と社内体制を確認し、質の高い製造技術を持っているものの、OEM事業が長かったこと、職人の高齢化などで、開発のノウハウが不足していることがわかった。そこでCOはかねてより特産品のさつまいも「なると金時」の活用依頼のあった農家とのマッチングを企画。なると金時を原料とした商品化の実現に向け、同社と開発を進めつつ、販路開拓CO、デザイナーCOとともにチームを組み、商品開発後の販路開拓、収益があがる高価格販売に見合うパッケージデザインを検討した。
テイスティングを重ね新商品が誕生、知名度向上の支援も
COは多くの人に受け入れられるスイーツの開発をめざし、同社がこれまでに蓄積した数多くのレシピに目を通し、キッシュを提案した。同社は試作を繰り返し、COはその都度テイスティングして評価、さらに原材料費の適正化などを進言した。こうして開発された「なると金時キッシュ」は、拠点の支援で首都圏百貨店催事に出店され、用意した80ケースを売り切り、上々のスタートとなった。COはさらなる知名度向上をめざし、ふるさと納税返礼品への登録、パッケージのブラッシュアップも提案。さらにイベント運営会社との協業も支援した。
新商品第二弾も好評、新卒採用でさらなる開発力、品質向上を
「なると金時キッシュ」に続き、なると金時のペーストを丸く成形した「なるころ」を開発。協業のイベント運営会社が主催した首都圏百貨店催事で販売したところ、会期中の二度の台風にもかかわらず、売上目標に近い実績を残し、大きな手がかりをつかむことができた。今後はさらなる開発力と、品質向上をめざし、6次産業化や食品製造に興味を持つ地元の学生を積極的に採用する予定だ。さらにECサイトも近日中に開設、令和7年にBtoC部門での年間売上1,000万円を目標とする。
商品開発においては既存の設備を活用、これまでの技術を活かした延長線上に設定することで、新たな取組として負担が少ない提案につとめました。また地域産業と連携して成長できるようなマッチングを積極的に行い、スモールステップを踏みながら新しい取組へのチャレンジを提案し続けました。
経営課題であった販路拡大、自社製品開発に苦慮していた時期に相談に乗っていただき、自社の状況や強みをしっかりご確認いただいた上で、的確なアイデアをいくつも出していただきました。地元食材を活かした新商品がヒット作となり、今後の方向性が見えてきました。これからもさらなるご支援をお願いしたいと思っています。