工場の整理整頓と意識改革で作業効率化と生産性向上を実現
代表者:秋山 浩二(あきやま こうじ)
住 所:静岡県袋井市中新田字浜野1800-1
連絡先:0538-23-6651
家具製造・販売会社から営業権譲受を経てスタートした同社。相談者は、営業権譲受後も工場が旧体質から抜けきっておらず、現場の整理・整頓・清掃ができていないとの問題意識を持っており、袋井市役所産業振興課に相談。同市役所は以前より当拠点と連携していたことから、この案件について共同で支援していくこととなった。
Coは実態把握のため、同市役所の担当者とともに工場を巡察。その結果、工場内に長年使用していない設備や装置、棚、工具等がたくさんあり、部品棚には表示もない。また、作業機械周りにはおが屑が積もっているなど、職場環境改善活動の第1ステップとして考える「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」の中でも、基本となる「3S(整理・整頓・清掃)」ができていない状態であることがわかった。また、管理者を対象に行った「5S」の基礎診断(5Sチェックシート)も非常に低い点数であったことから、「工場内の5S徹底」と「社員全体の意識向上」が課題と判断した。
Coは、まず管理職やリーダーの「気付き」を促すために、どのような課題があるか検討してもらった。また、全社員を対象に、「5S」の必要性についての講演「5Sセミナー」を実施。現場では、「3S」から始めて、社員による不要物の徹底処分と清掃を行った。さらにCoが毎月1回以上、「5S」パトロールを行い、問題箇所にその場で赤タグを貼って指摘し、改善できたら赤タグを外して可視化した。加えて、「3定(定位、定品、定量)」を徹底するため、棚の番号化、製品名や数量の表示などを実施した。
「5S」の重要性を全社員が認識し、「3定」の徹底によって作業スペースが拡大。さらに、棚や製品を整理することによってムダな動きが改善され、生産性が3%も向上した。現在は週に1回、部署ごとに「5S」の時間を設けて、それぞれの目標に応じて活動中。さらなる生産性や付加価値向上に繋げるべく、工場の「IoT(Internet of Things:物がインターネットのようにつながる仕組み)化」など、次なるステップへ向けて邁進している。