創業者の娘が覚悟の事業承継!コロナ禍に翻弄されることなく未来への投資を
創業者が趣味で作り始めた黒にんにくの効能に惚れ、平成23年に創業。黒にんにくと菊芋商品の製造・販売、黒にんにくカレー専門店を運営。「自分の家族や大切な人が安心して食べることができる食品を」と自然・国産にこだわった商品づくりで差別化を図っている
代表者:野田 優子(のだ ゆうこ)
住 所:〒578-0901 大阪府東大阪市加納5-15-11
連絡先:072-875-7511
相談者は、黒にんにくの品質、効能を安定的かつ効率的に製造する事を目的に徳島大学にて研究を行い、博士号を取得するとともに、同大学との共同研究により特許技術も取得。新商品開発、ネット販売の検討など事業化に向けての取組に関するアドバイスと、事業承継を見据えた経営者センスの獲得を目的に、当拠点に相談に訪れた。
現状確認と強みの洗い出しを行った結果、創業者と相談者の誠実な人柄、研究者としての真摯な姿勢や技術力、それが結実した高品質のメニューや商品群が強みと認識。これを魅力的に訴求するためのマーケティングスキルの習得が最重要と判断。市場調査の結果、黒にんにくは認知度が向上する一方、品質のばらつきや値崩れが生じていることが判明。訴求ポイントを明確にしてプロモーションを組むこととした。
相談者自ら新商品開発に取り組みながらマーケティングスキルを習得してもらうことが効果的と考え、伴走支援を実施。保有特許を活用した商品について議論を重ね、各アイデアのターゲットを具体化。技術的課題やOEM先選定などについては、外部専門家を交えて検討。商品化にはにんにくの臭い問題の解決が必要であるため、まずはその臭いを軽減できるサプリメントの開発を提案。また、経営者として全体を俯瞰してもらうため、事業計画の作成を提案。相談者は意欲的にこれらの改善に取り組んだ。
令和2年10月、事業を承継し、代表取締役に就任。綿密な事業計画作成力も習得し、ピザの会(大阪を中心として活動する女性中小企業診断士の会)主催のビジネスプランコンテストでは銀賞を獲得。最初は上から目線だった取引先も、ち密な研究、計測を基にした商品データと相談者の経営に対する姿勢に信頼を寄せるようになった。持続化補助金<コロナ型>や事業再構築補助金では、モノづくりのセンス、技術力、マーケティング視点が評価され、いままさに新事業の本格稼働に邁進中である。
支援に際し、相談者が安心して事業を引継げるよう、創業者にも同席いただく場面を設けました。また、既存商品を実際に食し、お客様目線でのアドバイスも行いました。COの専門外である技術的課題に関しては、適切な専門家をミラサポ(令和2年時点)より派遣し、総合的な伴走支援を行いました。
いつも的確なアドバイスに感謝しています。「作り手の思い」に偏りがちなところ、お客様が求めているモノ(コト)にフォーカスし、マーケティングやビジネスプランを作成することは、俯瞰した視点を持つために必要なスキルです。今後も少しずつブラッシュアップしていきたいと思います。