ウェブ活用で竪琴販売を強化 SNSにアップした演奏動画が反響を呼び製造が追いつかないほどの受注増加に
平成14年に木の工房「本陽」を創業。平成22年から楽器部門として同社を創業。日本を代表するギター工房で技術を学んだ後、地元沖縄において、自宅併設の工房で伝統工芸品などの文化財復元や木工家具の制作販売を行う。現在、妻と二人三脚で沖縄の木材を使った竪琴やウクレレなどの楽器を制作販売している。
代表者:高良 輝幸(たから てるゆき)
住 所:〒904-2232 沖縄県うるま市川田416-1
連絡先:098-974-1780
同社は、これまで受注してきた文化財復元の需要が減少し、毎年売上減少が続く中、新型コロナウイルス拡大の影響を受け、売上ゼロに直面。そこで、コロナ禍に影響されず、需要が見込める楽器の制作販売を柱にビジネスを組み立てるとともに、もともとこだわりのある竪琴の制作に取り組むことを決意した。これを踏まえ、市場が限定されないウェブを活用した販売ができないか相談するため、当拠点を訪れた。
竪琴の制作に20年もの年月を重ねて研究・開発を行ってきたこともあり、「音を届けたい」という相談者の思いは強かった。しかし、ホームページやSNSでの周知、メディアへの広報戦略に課題があり、同社の高い技術力と優れた製品をターゲットに届けることができていなかった。そこで、竪琴を求める人に検索で見つけてもらう対策、グーグルやヤフーでの検索結果を上位に上げる改善法を提案。売上につなげる新規販売方法について解決を目指した。
同社のホームページやSNSのタイトルを「てるる詩の木工房」から「国産竪琴・ライアー制作てるる詩の木工房」へ変更し、「竪琴」というキーワード検索で1ページ目に挙げる改善策を提案。同時に月額無料で立ち上げ可能なネットショップ開設を支援。同社YouTubeチャンネルへ工房にある全楽器の演奏動画をアップしSNSで拡散したところ、相談者の迅速な行動と真摯な努力による配信への反響は大きく、演奏者でもある妻の人柄の良さも伝わり、製造が間に合わないほどの受注につながった。
売上ゼロに直面したことを受け、木工家具制作や文化財修復などの中から、楽器制作ビジネスへの「選択」と「集中」を決断し実行。同社サイトやSNSの活用、ネットショップの開設販売によって制作した楽器はほぼ完売であり、30万円以上の楽器も10台販売できた。製造が追いつかず、数ヶ月先までのオーダーが入る状況であり、生産性向上を目的に機械を導入し、体制強化を図ったところ。
首里城や関連する文化財復元の業務が終了し、木工工房として家具制作を継続するか、楽器制作を本格的に始めるかどうかを悩まれていました。まず、話を傾聴し、楽器制作でやっていきたいという本心を伺いました。相談者の竪琴の演奏を聴いた際には、必ず売れる市場があると確信し、結果が出るまで伴走する支援を行いました。
コロナ禍で先が見えない中の相談でした。楽器を作り始めた理由を聞かれ、音が好きだからと答えたところ、COには、本物は必ず伝わるから音を届けましょうと背中を押していただきました。演奏動画を作成し自社のSNSで配信したところ、県外からの注文が増加しました。これからも楽器の魅力を伝えていきたいです。