製造原価の内容を知ることで価格を見直しキャッシュフローを改善 | よろず支援拠点全国本部

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製造原価の内容を知ることで価格を見直しキャッシュフローを改善

皮革製品の工房で2年間修行した後、平成30年に沖縄本島中部の人気スポット北谷町美浜の「デポアイランド」内に独立開業した。ハンドメイドのオリジナル革製品(かばん、財布、小物類)の製造・販売を手掛け、当初から顧客の注文に応じて製造するオーダーメイド製品を中心に販売してきた。型紙から起こして手作りで丁寧に仕上げるので評判が高く、価格も手ごろなため既製品に比べてオーダーメイド製品の注文が多く、生産に追われている。

公開日: / 都道府県:沖縄県 業種:製造 課題: 価格転嫁

LEATHER WORK MAKE

代表者:山城 良太
住 所:〒904-0115 沖縄県中頭郡北谷町美浜9番地39
連絡先:098-914-1014
URL:https://www.big-advance.site/c/187/1267/profile

皮革製品の工房で2年間修行した後、平成30年に沖縄本島中部の人気スポット北谷町美浜の「デポアイランド」内に独立開業した。ハンドメイドのオリジナル革製品(かばん、財布、小物類)の製造・販売を手掛け、当初から顧客の注文に応じて製造するオーダーメイド製品を中心に販売してきた。型紙から起こして手作りで丁寧に仕上げるので評判が高く、価格も手ごろなため既製品に比べてオーダーメイド製品の注文が多く、生産に追われている。

公開日:
都道府県:沖縄県/業種:製造/課題:価格転嫁

LEATHER WORK MAKE

代表者:山城 良太
住 所:〒904-0115 沖縄県中頭郡北谷町美浜9番地39
連絡先:098-914-1014
URL:https://www.big-advance.site/c/187/1267/profile

目次

  1. 現状
    丁寧な製作で注文が殺到、多忙だが赤字が続いている
  2. 課題
    傾聴による現状分析から価格設定に課題あり
  3. 支援内容
    製造コストを把握することで適正な販売価格の設定へ
  4. 支援の成果
    説得力のある適正価格で価格転嫁を実現、赤字から黒字化へ

現状
丁寧な製作で注文が殺到、多忙だが赤字が続いている


相談者の製品は、顧客の注文に応じて型紙から起こして手作りで丁寧に仕上げていくオーダーメイド型である。注文依頼を受けた後に、型紙を起こし、まず完成品の形状や機能を示すサンプルを作り、顧客に提案する。顧客の了解を得て、本製品の製作に入る手の込んだ工程である。しかし、販売価格は既成の同種製品と同じ値段のため、人気商品のオーダーメイド品は注文が殺到し、休みも取れない状況に加え、赤字が続き、利益が確保できない。赤字を脱却し、利益を得る方法について、当拠点に相談した。

課題
傾聴による現状分析から価格設定に課題あり


相談者の製品は、手作りで高品質と評判である。特に、オーダーメイド製品は顧客の注文に応じて型紙から起こし、手作りで丁寧に仕上げている。そのため、製造期間は平均で3日程度かかる。しかし、販売価格は自社の既成の同種の製品と同一のため、オーダーメイドの注文が殺到し既成品を製作する時間も無くなってしまっていた。価格設定方法も材料費に適当な粗利を乗せただけで、製作にかかる人件費も原価計上していない。製作に手間もかかり、注文を受けた製品の納期が遅れる中、売上も思ったほど上げられない。家賃等の固定経費を差し引くと、赤字状態が続いている状況。創業時に金融機関から調達した手元資金も減る一方で、家賃やスタッフの給与が支払えない状態になってきた。早急に原価の見直しを行い、製品価格に反映させる必要性があった。

支援内容
製造コストを把握することで適正な販売価格の設定へ


原材料費に僅かの利益を乗せただけで販売価格を設定しており、製造にかかる労務費や水道・光熱費等の間接経費を考慮していないことを確認した。価格設定にはコスト計算から決める方法もあると説明し、原材料費に加え、3日間の製造に掛かった時間を工程ごとに労務費として計測することや、ミシン等の機械の減価償却焼費、デザイン料等を考慮して価格を設定する必要があると説明した。相談者が製造コストを理解することで、価格の根拠や手作りの付加価値を顧客に丁寧に伝え納得して価格改定を受け入れてもらえるとアドバイスした。相談者からは、値上げするとオーダーメイドの注文が減るのではという不安があったが、仮にオーダーメイドの注文が減っても、空き時間で既製品の製作を行えば良いと提案した。相談者の不安が払しょくされ、適正な売価で価格転嫁ができるようになった。

支援の成果
説得力のある適正価格で価格転嫁を実現、赤字から黒字化へ


最初の相談時の売上が月商30万円弱であったが、現在では常時100万円を超えている。マックス200万円の売上は12月のクリスマスシーズンだけだったが、直近の3月でも200万近い売上を達成することができた。今後は、自らの製造技術のスキルアップも行いつつ、従業員の育成にも注力して店舗の拡大とさらなる収益の拡大を図って行きたい。

事例を振り返って

相談者の置かれている現状、抱えている悩みをじっくり傾聴して、職人としての「プライドと誇り」を尊重しつつヒアリングを実施した。聴き取った現状を分析して、相談者の経営者として課題を抽出、一緒に整理していく過程で、価格転嫁の必要性を腹落ちできるようにした。不安の払拭、ありたい姿、ビジョンを確認しながら、経営に対する意識変革とやるべきことの優先順位設定を自ら率先して動くこと(自走化)を意識した。

相談者の声

毎日忙しいのに赤字続きで、夢を抱いて創業した「自分の店」が続けられない危機感がありました。また、価格を上げることで「お客様が離れる」という不安もありました。COのアドバイスもあり「説得力のある適正価格」の設定で受注販売したことで赤字から黒字転換できました。今後も、お客様にもっと喜んでいただける質の高い製品と店づくりを行いたいと思います。

支援した拠点

沖縄県よろず支援拠点

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