事業承継を見据え下請けからの脱却を図る | よろず支援拠点全国本部

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事業承継を見据え下請けからの脱却を図る

縫製工場を家業とする藤枝被服は、縫製加工業の厳しい現状の中で、減収減益傾向にあった。 相談者は、事業引継ぎを見据え「法人格の取得」「新商品開発」「事業計画」作成を軸に、下請けからの脱却を図る。

公開日: / 都道府県:岡山県 業種:製造 課題: 事業承継 売上拡大

株式会社藤枝被服

代表者:枝 宗浩(ふじえだ むねひろ)
住 所:岡山県小田郡矢掛町小田4223
連絡先:0866-84-8436

縫製工場を家業とする藤枝被服は、縫製加工業の厳しい現状の中で、減収減益傾向にあった。 相談者は、事業引継ぎを見据え「法人格の取得」「新商品開発」「事業計画」作成を軸に、下請けからの脱却を図る。

公開日:
都道府県:岡山県/業種:製造/課題:事業承継 売上拡大

株式会社藤枝被服

代表者:枝 宗浩(ふじえだ むねひろ)
住 所:岡山県小田郡矢掛町小田4223
電 話:0866-84-8436

目次

  1. 事業承継を見据えた事業改革を図りたい
  2. 技術力と特殊設備を活かし改善を図る
  3. OEM事業から脱却 オリジナル商品の開発
  4. 試験販売成功を基に全国展開にチャレンジ

事業承継を見据えた事業改革を図りたい

国産ジーンズ発祥地である岡山県には、アメリカン・カジュアルウェアの縫製加工業を営む小規模事業者が多い。相談者の家業もそうした縫製工場のひとつで、主に国内の大手メーカーのOEM事業を手掛けてきた。
相談者は、父親から事業を引継ぎ、多品種少量生産により材料費・人件費がかさんで、低迷している事業の改革を図ることにした。
それまでの個人事業から、経営規模を拡張するため法人格を取得することと、事業の100%をOEMに依存していた生産・販売体制の見直しを目的とした事業計画の作成等を希望し、当拠点を訪れた。

技術力と特殊設備を活かし改善を図る

相談者は後継者としての経営意識が高く、下請けからいち早く脱却することによる、経営改善の実現を強く望んでいた。しかし、それを具体的にどのように実行に移したらいいかわからず悩んでいた。担当コーディネーター(以下CO)は、先ず、相談者と一緒に経営革新計画を作成することによって、事業内容を整理し見える化することに取り組んだ。
相談者の強みとしては、長年、国内大手メーカーの品質や納期等のレベルに対応してきた確かな技術力とノウハウ、そして、多くのアメリカン・カジュアルウェアで使用するヘビーオンス(厚くて重い生地)を縫製するための、特殊ミシンを9台保有していたことだ。

OEM事業から脱却 オリジナル商品の開発

経営改善に向けた取組みとして、下請け業・OEM事業から脱却を目指し、同社の強みを活かしたオリジナル商品の開発に取り組んだ。
担当COの助言を受けて人気のミリタリーアイテムのひとつで、これまで男性用しかなかったアウター・デッキジャケットを女性向けに開発することからスタートした。デッキジャケットのシルエットを女性らしくアレンジし、縫製も強度を保ちつつも調整し、着心地の改善を追求した。今まで外注していた「洗い」「アイロン」工程も内製化し、品質の向上と安定化を図った。こうして至極のクオリティの一着が完成した。
新商品の開発と同時に、当拠点と進めていた中期経営計画も完成。さらに、COが岡山県産業振興財団・備中西商工会と連携して助言したことで、この中期経営計画を「経営革新計画」として認定を受けられ、併せて持続化補助金への申請も行えた。

試験販売成功を基に全国展開にチャレンジ

完成した新商品第一号は岡山県内の人気セレクトショップ「Sweet Sue」で試験販売を開始。一着5万弱の価格設定ながら、月に2~3着と順調な売れ行きと言える結果が4ヶ月続いている。
平成28年度の年度販売見通しも、前年比106%と、微増ながら増加する見通しとなった。「不安定な下請け業からの脱却を考え、新商品への開発を含んだ中期計画を立てられたことが大きい」と話す相談者。
持続化補助金の採択も決まり、今後は、全国のアメリカン・カジュアルウェア取扱店やバイクショップ等に向けての営業を目論む。

支援の流れ
01
事業承継を期に、法人格の取得や、事業企画の作成の仕方から相談。
02
100%がOEM委託だった経営体制にメス入れ。事業の強みと課題を洗い出し
03
優れた生産能力を活かし、オリジナル商品の開発に取り組む
04
テスト販売の成功と持続化補助金の採択も追い風となり全国展開へ
支援した拠点

岡山県よろず支援拠点

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