ボトルネック解消で生産性向上 コロナ禍における受注増加を目指す
取引先である大手企業の要望に応じ、個別に材質を調整した鋳物素材や製品を製造。納入先からは、複雑な形状のポンプ部品の製造技術が高く評価されている。今後は、素材だけでなく加工完成品での納品を要望されており、いっそう取引の増加が見込まれている。
代表者:代表取締役 倉谷 純夫(くらたに すみお)
住 所:〒702-8002 岡山県岡山市中区桑野518
連絡先:086-277-4581
同社は、大手企業との直接取引により事業を拡大した一方で、運転資金の増加に伴う資金繰り管理や、生産リードタイムの短縮による受注キャパシティの向上などにより、運営体制を強化する必要に迫られていた。資金繰りの健全化に向けた対策や、生産現場の改善について相談を希望し、商工中金岡山支店の勧めで、当拠点を訪れた。
COが同社の現状を分析したところ、大手企業との取引で受注量は増えたが、資金繰りに波があることが分かった。また、生産面においては後工程にボトルネックがあり、受注量増加の障壁になっていると思われた。折しもコロナ禍の影響で取引先のサプライチェーンが毀損しており、増産要請に対応することができれば、売上拡大にもつながると思われた。そこで、直ちに資金繰りと生産工程の改善に取り組むこととした。
資金繰りにおいては、このまま受注が増えると、それに伴い運転資金が増加し、資金繰りが逼迫する恐れがあるため、主力取引先に入金条件の改善を打診した。また、生産工程のボトルネックを検証した結果、製品の信頼性を保証するために必須となる、検査表添付作業を外注していることを確認。COは、これを内製化することで、同工程自体を短縮し、さらに工程間の同期を図ることで、生産効率を向上させることを提案した。
取引先との交渉によって資金繰りは改善した。また、ボトルネックとなっていた検査工程は従来7~14日が必要だったが、これを内製化するために検査設備を導入。その結果、同工程を2時間で完了させることができ、リードタイムの大幅な短縮につながった。この取組により増産要請に応えることができ、得意先からは高く評価され、売上25%アップにもつながった。その後は商工中金等の支援により、経営改善計画を策定し、全社的な課題にも取り組んでいる。
コロナ禍の経営環境では、資金繰りの安定化に加え、設備投資でも、販路の確保・採算性を十分に検討したうえでの事業計画が必要になります。大手企業からの増産要請は大きな商機のため、引き続き、周到な事業計画の策定支援を進めていきます。
コロナ禍の影響で経営判断は難しいものの、思い切った投資判断ができ、金融機関からも評価されました。取引先からの評価も一層高まり、大手企業のティアワン企業としてさらにキラリと光っていきたいです。