「営業DX」の導入により、閑散期の 工場稼働率が17%から85%へと大幅に伸長
平成17年の創業。大分県内でも有数の畑作地域の豊後大野市で、九州産を中心にさまざまな種類の野菜やフルーツ、穀物の業務用加工事業を展開している。商品は学校給食を中心に病院や施設などに提供。多品種、小ロット生産が可能であり、街の小さなレストランなどにも出荷して販路を拡大している。自社技術を活かした商品を開発して、工場の敷地内に店舗を構えて小売事業に乗り出すなど、現在は4つの事業部門を展開中である。
代表者:小原 秀樹(おはら ひでき)
住 所:〒879-6441 大分県豊後大野市大野町田中43-12
連絡先:0974-24-5556
平成17年の創業。大分県内でも有数の畑作地域の豊後大野市で、九州産を中心にさまざまな種類の野菜やフルーツ、穀物の業務用加工事業を展開している。商品は学校給食を中心に病院や施設などに提供。多品種、小ロット生産が可能であり、街の小さなレストランなどにも出荷して販路を拡大している。自社技術を活かした商品を開発して、工場の敷地内に店舗を構えて小売事業に乗り出すなど、現在は4つの事業部門を展開中である。
代表者:小原 秀樹(おはら ひでき)
住 所:〒879-6441 大分県豊後大野市大野町田中43-12
連絡先:0974-24-5556
相談者は、4年前に子育てをきっかけに地元である大分県の山あいの町に戻ってきた。そこで父が経営する業務用野菜加工の事業の手伝いを始めた。その後、コロナ禍が経営を直撃。売上の50%を占めていた学校給食向け加工野菜の出荷が、全国一斉休校の影響で一気にストップする事態に陥った。加えて、商談会などの対面での営業活動も一切できなくなり、苦しい状況に陥った。悩んだ相談者は地元商工会に駆け込んだところ、当拠点を紹介され、相談に訪れた。
COは、まず事業別の売上を分析。すると事業別の売上比率に偏りがあるとともに、工場の稼働率も季節変動の差が大きいことが判明した。売上比率の低い「受託加工事業」を底上げすることで、工場の稼働率を平準化させることが重要と判断した。同事業は、地元の菓子店や農家などを顧客としており、高い加工技術力や小ロット対応、加工場の設備が強み。一方で、加工に時間がかかる割に成約率が低い点が弱みだった。そこで、営業の効率化を課題として設定し、非対面の「営業DX」に取り組むこととした。
学校給食向け加工に代わり、利益率の高い受託加工事業に特化するとともに、サービスの顧客層をはじめ、具体的な加工内容、自社の優位性を整理した。また、ホームページに関して、写真を多用することで訪問者に分かりやすく、使いやすいものとし、Webサイトそのものが「勝手に営業」する仕組みを整えた。加えて、「自動見積もりシステム」を導入して、訪問者がその場で概算見積もりがとれるようにした。システムづくりでは、同社のエクセルに蓄積していた素材別の歩留まりデータなどを活用した。
「営業DX」をはじめとする取組の結果、受託加工事業の売上高は前年対比201%へと拡大。また、閑散期の工場稼働率は17%から85%へと大幅に伸長したことで、経営改善に寄与している。自動見積もりシステムは公開から4ヶ月間で利用件数330件を記録し、潜在ニーズを獲得するなど営業の効率化に成果を上げている。同社の取組は令和3年に「全国中小企業クラウド実践大賞」で、全国商工会連合会会長賞を受賞した。今後は社内に積極的にデジタルを取り入れて業務効率化を図っていく予定だ。
相談者は、コロナ禍の状況に焦っていたので、まずは落ち着いてもらうため、じっくりとヒアリングを実施しました。相談者が先頭に立ち、自社技術を活かした商品を開発するなど、前向きな姿勢を理解できました。「あなたなら、厳しい状況を必ず打破できる」と励ましつつ、具体的な行動に落とし込む助言を心がけました。
不得意なデジタル化への挑戦でしたが、従業員と一緒になってホームページを作り込んで、「よくある質問」についてもネット上で可能な限り明示する構成にしました。おかけで、営業の手間が大幅に省力化され、相談者の私が「営業DX」の成果を一番享受できました。現状に満足せず、前を向いて全力疾走を続けてまいります!