水門扉の電動開閉装置を商品化 認知度向上に取り組む
水道設備工事で培った経験と技術を活かした、自社商品の開発を模索していた相談者。 自治体からのニーズに応えるために電力供給のない山間部でも使用可能なソーラーバッテリーで駆動する自動開閉装置の商品開発と販路拡大が始まった。
代表者:橋詰 薫(はしづめ しげる)
住 所:長野県長野市小島田町278-1
自社製品の開発を模索していた相談者は、ある自治体から「水門を自動開閉することはできないか」との相談を受け、その具体化に着手。電力供給がない山間部の水門でも、自動開閉が可能なソーラーバッテリーの利用を発案する。
しかし、自社の試作研究では成果を出せず、専門家のアドバイスを求めていたところ、金融機関から当拠点を紹介され相談に至った。
相談を受けた当拠点のチーフコーディネーターは、懇意にする信州大学工学部の飯尾昭一郎准教授に商品開発への協力を求め、力を借りられることになる。
思考錯誤を繰り返す中でようやく、低電圧で水門を開閉できる技術の核となる減速機構の開発に成功。これによりソーラーバッテリー電源を利用した電源独立型の水門自動開閉装置が完成した。
開発した装置を特許出願するとともに、「お助け門」と命名。次のステップとして、より高機能な商品にすべく技術改善を行い、販路開拓することが必要であった。しかし、設置実績がなく、企業としての知名度も低いため、どのように知ってもらうか、既存製品との違いや特長と優位性をどうアピールしていくか、どこに販路を見出すかなど、様々な課題があった。
従来の水門は、日常の管理を必要とする上、水害防止のための操作時に危険が伴うことがある。一方、本商品は供給電力を確保できない場所でも、降雨量・水位を検出して自動開閉できる画期的なものだ。
このメリットを最大限に理解し、良さを発信してもらうために、広く認知度を高めつつ、自治体の農業土木部門やコンサルタントに紹介することが有効だと判断。
さらには試作及び評価・検証に必要な資金を調達するのに、助成金の活用も効果が高いと考えられた。
相談者は計画づくりに助言を受け、ものづくり補助金に申し込み、無事に採択された。これにより商品開発は加速。社外の技術者の助言を受けながら高性性化と品質向上を進めていった。さらに顧客からの要望で、監視カメラを使って、パソコン・携帯端末から水門の操作ができる遠隔監視操作システム「見知らせ」を開発し、「お助け門」とともに水門管理の省力化・安全向上をコンセプトとして商品化を進めた。また当拠点から助言を受け「震災対策技術展 in 横浜」、石川県の「Matching HUB Kanazawa 2015 Autumn」にも出展。拠点の勧めも受け、認知度向上のためマスコミへのプレスリリースも実施した。さらには担当のコーディネーターとともに長野市、須坂市の関係部署を訪問し、商品紹介と売込みを行った。
出展した展示会では、遠隔地から用水路や水門の状況を見ながら開閉操作ができることはもちろん、手動でも操作できることが高く評価された。またプレスリリースをきっかけに、地元のテレビ、新聞、全国紙にも取り上げられ、自治体の担当者にも知ってもらう機会を得た。新聞記事を目にした事業者からの問い合わせや全国各地からの引き合いも増えている。相談者は「本商品を、今後事業の第二の柱として軌道に乗せたい」と意欲を語った。