キノコ廃培地の再利用技術開発と事業化に向けた産学官の連携支援
代表者:長島 政弘(ながしま まさひろ)
住 所:長野県中野市大字吉田七瀬境166-2
連絡先:0269-23-0270
キノコ収穫後の廃培地を一括回収し再利用する事業を行っている相談者。ニーズの高まりもあり事業拡充に向け、施設の増設を考えていた。増設にあたっては、再生キノコ培地と特殊肥料の原料となる再利用品の製造期間短縮、さらに作業過程で生じる発酵臭を低減して一般廃棄物処理施設基準をクリアしなければならなかった。そこで、建設認可に向けてアドバイスがほしいと当拠点へ相談に訪れた。
Coによる現状整理の結果、廃培地の再利用化事業を軌道に乗せるための課題は、次の3点に集約された。①現行65日ほどかかっている再利用品の製造期間短縮。②微生物による分解・発酵過程で生じる発酵臭の低減。定常の環境測定をクリアできること。③再生事業で商品化するキノコの再生培地と特殊肥料(エコマッシュ)の品質の保証。中でもキノコの再生培地は、それを用いたキノコの栽培試験によって検証し、確かな結果を示すことで需要が高まると分析した。
Coは、廃培地の再利用化に関する研究・開発に取り組んできた複数の企業や信州大学に協力を要請して「キノコ廃培地の再利用化技術開発と事業化プロジェクト」を立ち上げて、事業化を目指すことを提案。信州大学の指導を得ながら、当拠点の連携企業と短期発酵装置の製造準備や商品の品質検定を行い、相談者は廃培地の「再利用化技術」による製造工程に沿って、製造時間と臭気の記録・検証を実施した。Coはプロジェクトの総合調整や運営、開発支援を行った。
製造時間の30%短縮が実現したことで、ピーク時の再利用化が高まり、再利用商品(再生キノコ培地、特殊肥料)の年間製造量は1.6倍の4,000トンが可能になった。また、専門業者による生活環境調査においても、環境基準を下回る着実な発酵臭の低減を実現。これにより資材回収センターの新築認可を得ることができた。再生培地を用いたキノコの品質検査も良好で有用性も確認できた。また価格的にも2割程度のコストダウンが見込まれている。