和製ジンをプロのバーテンダーと共同開発 全国の有名ホテルにも販路拡大
宮崎の素材にこだわった焼酎の老舗酒造メーカーである相談者。自社製品のアメリカへの市場開拓を行っている際、取引先からスピリッツの開発をすすめられたことから、ジン(スピリッツの一種)の開発を決意。スピリッツの製造免許も取得したが、個性的な和製ジンの開発に向けたアイデアが浮かばず悩んでいた。そこで、以前から知り合いであった当拠点のCoへ相談に訪れた。
ジンの開発にあたっては、まず長年培った焼酎造りの製法を生かしつつ、いかに需要を見込めるジンを開発するかが重要となる。そこで、地元「油津」にこだわったコンセプトづくりや、珍しい日本産のジンを国内・国外市場へどのように展開すべきかなどを考える必要があると分析。そのうえで、商品開発にあたっては、個性を際立たせるために「宮崎産の果実を使用したジンを開発すること」を課題とした。
相談者にとってジン開発は初めての試みなので、普段からジンを扱っている現場のプロ、バーテンダーの知識や感性を生かすことを提案。全国コンテストで日本一になった女性バーテンダーとのマッチングを支援した。彼女からの提案で、ジンの条件である「ジュニパーベリー」のほかは、「日向夏」「ヘベス」「キンカン」など、すべて宮崎産の果実を使用することに。さらにパッケージデザインは、宮崎県の女性デザイナーとのマッチングを提案。味からパッケージに至るまで、地域に根付いて開発に取り組んだことをPRするようアドバイスした。
製造側の感覚だけでなく、女性の感性を盛り込んだジン「HINATA GIN」と、地元「油津」の字をあてた「油津吟 YUZU GIN」が完成し、売れ行きも好調。全国の酒販店、百貨店で評判になっている。また、日本一の女性バーテンダーが総合監修、マスターブレンダーを務めているという話題性や、PR施策の結果、全国の有名なホテルやクラブ、バーなどへの販路も開拓された。