応援購入サービス「Makuake」での「宮崎物産展」をきっかけに新規顧客開拓と販路拡大に成功
昭和24年創業。創業以来、国産材(霧島産・日向産)を中心に厳選された銘木を使った木工芸品などの製造・卸・小売を行う。過去には宮内庁ほか、県庁、重要文化財などにも銘木を納めるなど、品質と加工技術には定評がある。また、宮崎県伝統的工芸品指定店として、日向産榧の碁盤・将棋盤の製造・販売も行っている。
代表者:丸野 泰宏(まるの やすひろ)
住 所:〒886-0005 宮崎県小林市南西方2101-1
連絡先:0984-23-5051
銘木を使った木工芸品を全国の百貨店の催事を中心に出展し、固定ファンも多かった同社だが、コロナ禍において催事が軒並み中止となったこと、販路先の集客力が落ち込んだことで売上減少を余儀なくされた。催事の再開が見通せない中、販売の中心を催事からネット通販に転換し、クラウドファンディングで活路を見出したいと考え、具体的なアドバイスを求めて、他の支援機関から当拠点を紹介され相談に至った。
まずCOは同社の内部環境を分析し、特に経営資源の洗い出しを実施。その結果、ネット通販の専任担当者が不在であること、展示会での購入者による追加購入やギフト用途での購入がほとんどで、新規顧客を獲得できていないことがわかった。また、コロナ禍により販売をオンラインにシフトする競合他社も多く、これまでのネット通販の強化だけで売上の落ち込みをリカバリーするには時間がかかると判断。課題の見直しを行い、「ウェブ活用による短期での新規顧客開拓」を課題として設定。
相談当時、担当COには、他の事業者からもネット通販に関する相談が多く寄せられており、複数事業者が参加するオンライン催事を行うことで、単独のネット通販に比べて短期間での売上が見込めると考え、応援購入サービス「Makuake」での「宮崎物産展」を企画。CO自ら株式会社マクアケに企画提案を行い、全国初となる地方物産展の開催許可を得た。「Makuake」の活用メリットは、事業者のコスト負担の少なさや受注生産により在庫リスクがない点、資金繰りがしやすいといったことが挙げられ、相談者にも声をかけたところ是非出展したいとの回答があった。
当初の売上目標に対し、単独で目標達成率1,200%となる180万円超の売上を達成。オンライン物産展には全18社が参加し、総売上800万円超のうち約23%を同社の売上が占めた。この数字は単独売上として催事全体でトップであり、購入者数111人も全体の2位となった。同社の商品の魅力に加え、売上金額・購入者数の状況を見た複数の百貨店バイヤーが興味を持ち、今後の販路開拓につながるきっかけとなった。
相談の過程で、相談内容が手段の目的化になっている場合が多々ありましたので、そのまま答えるだけで良いのか、本来の目的に立ち返りその上で最適な手段を提案すべきかを意識して対応しました。また、コロナ禍で売上が厳しい中、いかに同社にとってコスト負担がない施策ができるかを考えました。
もともとクラウドファンディングに興味があり、物産展のお話をいただいてテストマーケティングとしてチャレンジしました。目標金額を大きく上回る結果に驚いています。また、複数の百貨店バイヤーの方に連絡をいただき、販路拡大のきっかけになりました。既存のお客様にも新商品のご案内ができ良かったです。現在はクラウドファンディングで購入いただいた新規お客様への新たなフォローアップ企画を検討中です。