被災後、「売れるアイスクリーム」を目指して包括的な改革に取り組み、売上33%アップ! | よろず支援拠点全国本部

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包括的な改革に取り組み、売上33%アップ!

被災後、「売れるアイスクリーム」を目指して
包括的な改革に取り組み、売上33%アップ!

公開日: / 都道府県:熊本県 業種:製造 課題: 経営改善・事業再生

有限会社阿蘇天然アイス

代表者:石橋 久美子(いしばし くみこ)
住 所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地2269-2
連絡先:0967-22-4840

公開日:
都道府県:熊本県/業種:製造/課題:経営改善・事業再生

有限会社阿蘇天然アイス

代表者:石橋 久美子(いしばし くみこ)
住 所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地2269-2
電 話:0967-22-4840

目次

  1. 被災による観光客激減で売上が80%減少 何から手をつければよいかわからない
  2. 商品力の強化とターゲットの転換が鍵
  3. 新しい顧客を見据えた販路変更に加え リブランディングと新商品開発を提案
  4. 阿蘇天然アイス専門店もオープン 短期赤字から脱却し、売上が33%アップ

被災による観光客激減で売上が80%減少 何から手をつければよいかわからない

阿蘇市の土産店やホテル、自社ショップでアイスクリームの販売を行っていたが、平成28年に甚大な被害を引き起こした「熊本地震」で被災。地震前より阿蘇は噴火や水害などの被害を受けており、販売ターゲットの観光客数が減少傾向にあったが、地震の影響でさらに激減。売上はピーク時から80%もダウンした。何とか改善したいと思うものの、何から手をつければよいかわからず悩んでいたところ、地元事業者の紹介で当拠点のCoへ相談に訪れた。

商品力の強化とターゲットの転換が鍵

Coが確認したところ、相談者の商品は「徹底した安心・安全へのこだわり」に加え、「作りたての味」や「素材の味」を鮮明に感じられるという、ほかの地産アイスクリームにはない強みを持っている。そこから、売上減少の背景には商品そのものの訴求力の低下ではなく、ターゲット設定やPR不足に起因するものだと分析。そこでCoは、「メインターゲットをインフラ被害でアクセスできない観光客から転換すること」、「商品の魅力を消費者に伝える販促ツールを増やすこと」という2つを課題とした。

新しい顧客を見据えた販路変更に加え リブランディングと新商品開発を提案

そこでCoは、販売ターゲットを従来の観光客から「食にこだわりを持つ都市部の消費者」に置き換える、大胆な販路変更を提案。道の駅や被災地支援物産展への出店、さらに通信販売への注力をすすめた。また、ターゲット層の変更によって商品のブランド力の強化が必要になることから、くまもと産業支援財団の地域活性化中核人材育成事業を活用して、食のブランディングに実績のある専門家の派遣を依頼。同時に、商品名やパッケージデザインの改良と、販促ツールの見直しをアドバイス。
また相談者は、これと並行して新商品開発に着手し、より安心・安全にこだわった「乳化剤の入っていないアイス」を開発。このための新たな設備導入が必要となったことから、ミラサポから専門家を派遣し、設備導入の事業計画書も作成し、ものづくり補助金を申請し、採択。新商品を開発し、2019年夏から本格的に販売開始予定。

阿蘇天然アイス専門店もオープン 短期赤字から脱却し、売上が33%アップ

様々な支援が奏功し、相談者は平成29年から本格的に阿蘇市以外での販売を開始。地元百貨店でのギフト販売、パートナー企業との事業連携で、大阪府泉佐野市へ「阿蘇天然アイス」専門店を出店し、好調な売上を記録した。さらに、商社10社と個別商談を行い、来期には大阪に1店舗、千葉に1店舗の計2店舗を出店する計画。この結果、地震から約2年で単期赤字から脱却し、売上が33%アップした。

支援した拠点

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