コロナ禍の中、自社の除菌スプレーで新規顧客を開拓 営業マインド変革で売上拡大
2000年創業。微生物を利用した生活関連商品の研究、開発、製造を行う。微生物による河川浄化大型プロジェクトへ取り組むほか、家庭用生活用品として、有機酸の力で除菌、消臭を行う自社製品スプレー「Fab-Mist」を主体に、カビ、除菌、消臭を自然の微生物の力で浄化する商品を扱っている。
代表者:代表取締役社長 阪本 忠幸(さかもと ただゆき)
住 所:〒869-0615 熊本県宇城市小川町西海東2100
連絡先:0964-47-5810
同社は2015年に当拠点の利用をスタート。COは当時副社長であった相談者とともに、売上拡大支援策に加えて組織改革・人材育成、求人・採用強化などをサポートしてきた。2019年に相談者が代表取締役社長に就任し、引き続き全社的な取り組みを推進しようとしていたところで、新型コロナウイルスの感染が広がり、業況激変への対応を余儀なくされた。
COがコロナ禍における同社の出荷状況を分析した結果、同社の商品のなかで唯一伸びているのが除菌、消臭スプレーの「Fab-Mist」であると判明した。さらに調査すると、同商品は全国展開をしている一方で、地元熊本における顧客開拓は手薄であることがわかった。しかし、当時の社内には、「コロナ禍に積極的な営業展開はいかがなものか」という空気感が蔓延していたため、この空気を打開し、同商品の県内展開を進めることを課題とした。
COはまず、社内の雰囲気の改革に着手した。コロナ禍でマスクや除菌アルコール等が品薄となり、消費者は困っている。その現実をCOと相談者とで共有した上で、従業員との対話を提言。「コロナ禍における積極営業の是非ではなく、除菌スプレーが品薄な今だからこそ、少しでも多くのお客様に商品をお届けすることが、お客様のためにもなる」と訴えた。そして、既存取引先・地元店舗への営業や行政・学校への寄付活動を通じ、新規顧客の開拓に努めた。
「Fab-Mist」を既存取引先に案内し、約2万本の新規受注を獲得。また、近隣のドラッグストア、スーパーなど新規取引先10件の獲得に成功。今後は「オススメしないほうがお客様のためにならない」という意識を社内で共有し、既存取引先への定期的な案内や、新規取引先への継続フォローを実施し、リピート顧客化を図る。今回の新規顧客開拓の成功体験を社内に浸透させ、顧客開拓に継続的に取り組める仕組みを構築していく。
支援のポイントは、営業の使命感として「オススメしないほうがお客様のためにならない」を全社で共有すること、既存顧客へ本商品の認知度を向上させること、これを機に地元熊本でのシェアを向上させること、の3点であり、主に意識改革への取組でした。
今まで思い込みで行ってきた自分たちの営業活動を第三者の視点から考えていただき、戦略を自社に落とし込んで変化させることで、成功しました。「お客様に案内しないことが悪になる」という新たな戦略アドバイスは、今後の自社に大きく役に立つ経験でした。