手入力での指示書作成でミスが頻発 無料ITツールを活用したRPA化 作業が効率化され新分野への注力が可能に | よろず支援拠点全国本部

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手入力での指示書作成でミスが頻発 無料ITツールを活用したRPA化 作業が効率化され新分野への注力が可能に

1992年創業。魚の鮮度と風味を活かした蒲鉾を製造している。北海道産のタラのすり身を主に使用することで、安定した商品供給を図りながらも、土佐湾で水揚げした新鮮な生魚をすり身にして混ぜることで、風昧を増している。「魚肉と天日塩以外は使わない」が本道とのこだわりで、世の中のためになる商品を作り続けたいという理念のもと、安心して(アレルギーを持つ人でも)食べられる、体に優しい蒲鉾を作っている。

公開日: / 都道府県:高知県 業種:製造 課題: 生産性向上

株式会社土佐蒲鉾

代表者:代表取締役 来國 栄二郎(らいくに えいじろう)
住 所:〒781-0270 高知県高知市長浜5584番地
電 話:088-842-5000

1992年創業。魚の鮮度と風味を活かした蒲鉾を製造している。北海道産のタラのすり身を主に使用することで、安定した商品供給を図りながらも、土佐湾で水揚げした新鮮な生魚をすり身にして混ぜることで、風昧を増している。「魚肉と天日塩以外は使わない」が本道とのこだわりで、世の中のためになる商品を作り続けたいという理念のもと、安心して(アレルギーを持つ人でも)食べられる、体に優しい蒲鉾を作っている。

公開日:
都道府県:高知県/業種:製造/課題:生産性向上

株式会社土佐蒲鉾

代表者:代表取締役 来國 栄二郎(らいくに えいじろう)
住 所:〒781-0270 高知県高知市長浜5584番地
電 話:088-842-5000

目次

  1. 相談のきっかけ
    20年間悩まされた非効率的な作業の問題が別の相談で当拠点を訪れた際引き出された
  2. 現状分析・課題設定
    限られた時間での手作業がミスの原因 IT導入による作業の効率化を目指す
  3. 提案・実行支援
    無料ITツールを活用したRPA導入、受注リストから製造指示書を自動作成
  4. 支援成果と今後の展望
    自動化によるミスの解消、負担軽減 新たな挑戦ができる時間的・心理的余裕が生まれる

相談のきっかけ
20年間悩まされた非効率的な作業の問題が別の相談で当拠点を訪れた際引き出された

手入力での指示書作成によるミスの対応に明け暮れる日々

同社の日々の受注業務では、取引先のスーパーマーケットからデータ処理業者を経由して送付される受注リストを、紙に印刷して、相談者が手入カで製造指示書を作成していた。担当者は相談者1人のみであること、多くの場合昼過ぎという忙しい時間帯に作業が発生すること、また、受注リスト自体にも間違いが多いことなどの理由で、受注数量の入力忘れや店舗・商品欄の入力間違いが頻繁に発生していた。誤った製造指示書に基づいて製造·配送された商品は、翌朝、スーパーマーケットの品出しのタイミングで過不足が分かり、その後同社に、緊急製造や緊急配送の連絡が来る。非効率的な受注業務によって、社の業務全体に多大な負担がかかっており、20年以上にわたって相談者を悩ませていたものの、相談者はこの問題を解決するのは不可能と思いこみ、誰にも相談できずにいた。

当初は別内容での相談も、何気ない会話から引き出された悩み

同社は、「商品ごと・スーパーマーケットごとの売れ筋について販売分析をしたい」との希望から、当拠点に相談に訪れた。COはまず集計結果を入力することから始めてはどうか、との提案を行い、本件相談については一旦終了した。しかし、前後の何気ない会話の中で、COが、「他になにか面倒なことはないか」と尋ねたところ、製造指示書についての悩みを打ち明けられ、本件についても相談対応することになった。

現状分析・課題設定
限られた時間での手作業がミスの原因 IT導入による作業の効率化を目指す

短時間で煩雑な製造指示書の作成が原因

「多忙でミスが多発している」との相談ではあったが、相談者がどのようなフローで作業を行い、どこに問題があるのか、COは実際に同社を訪問して確認した。すると、スーパーからの受注リストを取得できるようになってから、配送車が商品を引き取りに来るまでに、2時間前後しかないことが判明した。その間に、製造指示書を作成し、商品を製造する必要がある。本来なら、受注リストをそのまま製造指示書として使用したいところであるが、リストには商品名が店独自の名称で表示されているなどの問題があり、同社内で使用できるように指示書を作成することは不可避である。短時間で早急に製造指示書を作成しなくてはならない焦りから、ミスが多発しているのでは、と考えられた。

安価でかつ、容易な方法の提案が同社の希望

COは、相談者はあまりITに精通していないこと、また、なるべくコストをかけずに作業改善をしたいという考えを持っていることを理解していた。そのため、「可能な限りコストをかけず、短い時間で正確に、そして誰もができるような容易な方法で、製造指示書を作成すること」を課題として設定し、IT導入による効率化を検討していくことになった。

提案・実行支援
無料ITツールを活用したRPA導入、受注リストから製造指示書を自動作成

受注リストのファイル形式を、自分で変換できるツールを調査

COは、PDFで受領する受注リストを加工可能なExcel形式に変換した後に、Excelの受注リストから製造指示書を自動作成する方法を検討。まずは、Excel形式で受注リストを提供してもらえないか、同社の受注リストを取り扱っているデータ処理業者に確認するように提案。確認したところ、初期費用15万円、加えて月額1万円近くの費用が発生することが分かり、この方法では相談者の「お金をかけずにIT化したい」という希望にはそぐわないことがわかった。そのため、今度はPDFをExcelに変換するツールが、無料又は安価で手に入らないか、CO自身で調査を行った。すると、条件付きではあるものの、無料で利用できるツールがあることが判明したため、同社への導入を提案した。

製造指示書作成をRPA化、簡潔な操作手順でレクチャー

次にCOは、Excelの受注リストから製造指示書を自動作成するRPAツールについて調査を行った。幸いにして、こちらも無料のものを見つけることができたため、同社への導入を提案。ツールを導入した後にCOは最終的なアウトプットを相談者と確認したうえで、パラメータ指定をはじめとした設定を実施。ツールが問題なく動くことを確認した後、COは相談者の負担を極力減らすために操作手順の簡素化を検討。パソコンのデスクトップ上でのファイルクリック及びドラッグだけで完結するようにツールの設定などを行い、相談者に操作方法のレクチャーを実施。短時間で簡単に指示書の自動作成ができるようになった。

支援成果と今後の展望
自動化によるミスの解消、負担軽減 新たな挑戦ができる時間的・心理的余裕が生まれる

製造指示書の自動作成で納入のミス解消

製造指示書が簡単な操作で自動的に作成されるようになり、従来手入力で行っていた製造指示書の作成作業や、ミスに伴う緊急製造及び配送などにかかっていた、月間約20時間を削減することができた。今後、現在FAX送信されてくる受注リストについても、Excel形式のファイルをメール添付で送信していただくように要請して、製造指示書の自動作成の範囲を拡大していく予定である。

自動化によって生み出された時間で、オンラインへの挑戦を

単に作業時間の削減につながっただけではなく、常に不安を抱えながら作業を行っていた相談者の心理的な負担が緩和され、新しいことにチャレンジする余裕が生まれるという成果もあった。同社は今後、SNSをはじめとしたオンラインでの商品販売やマーケティングに注力することを計画している。新型コロナウイルス感染症の影響で、消費者の生活様式は変化している。相談者は、お中元やお歳暮の需要の低下、スーパーでの食材購入機会の減少などにより、このままでは蒲鉾の需要は低下する一方であると危機感を持っている。そのため、前述したオンライン化によって、販売ターゲットを若い世代へとシフトしたい考えだ。引き続き当拠点の支援を受けながら、新たな挑戦を行っていく予定である。

事例を振り返って

製造指示書の作成時間を短くすることや作成を容易にすること以外にも、同社の理想である「お金をかけないIT化」を目指して対応することを心がけた。そして、相談者の自立・自走をゴールに、業務内容の変化・変更があっても相談者自身で対応できるよう、ハンズオンで導入支援を行った。また、同社から持ち掛けられた相談のみに表面的に対応するのではなく、他に問題はないかを常に確認するようにしている。本件支援を進めていく中で、製造指示書以外にも、毎月の支払明細書のチェックにも多大な時閻を要していることがわかり、製造指示書作成の際に受注明細データも同時に保存しておき、チェックの時問を短縮することができた。

相談者の声

受注データ自体の配信が遅れることもよくあるなかで、16時には運送会社が来てしまう。製造指示書の手入力で、常にせかされてミスが出てしまい、そのときは遠い店舗であっても自社配送を強いられる。いつも電話がないかを気にしながら過ごしていて本当にまいっていた。相談したことで、製造指示書が簡単に自動作成されるようになり、心も楽になったし、本当に助かっています。

支援した拠点

高知県よろず支援拠点

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