新型コロナ感染症対策のフェイスシールドを無償提供 需要増加により事業化へと転換
1992年にラジコングライダーキットの製作会社として創業。模型の製造技術を活かし、展示会における実験装置や商品サンプル、ジオラマなどの製作を手掛けている。お客様の要望に応じて、どんな難しい案件でも引き受けようとする姿勢と、精密な模型製作をなんでもやり遂げる実行力で評判が高い。
代表者:代表取締役 谷村 正樹(たにむら まさき)
住 所:〒780-8023 高知県高知市六泉町167
連絡先:088-833-8039
新型コロナウイルスの影響で本来の仕事が減少し、時間的余裕もできたため、同社の持つPET素材の加工装置や技術を用いて、フェイスシールドの試作品を開発した。材料費も安価に収まることもあり、給付金等を活用すれば、困っている医療機関等に無償で提供できると考え、当拠点に相談に訪れた。
COは、この無償提供事業を進めるにあたっての課題点について、相談者と共に確認、整理を行った。まず、提供先のニーズの確認や、原資の確保、配布の管理方法などを検討事項として抽出。取組をマスコミを通じて広報することで、問合せにつなげる仕掛けをつくることも助言。さらに、この無償提供事業を終えた後、どのように対応するかをあらかじめ検討しておく必要があるとアドバイスした。
まず、COがモニターを募集するために県立図書館と連携、十数名を確保した。その評価を製品改良やコスト削減に生かしていった。次に面識のある異業種交流グループに同事業への理解と寄付を呼びかけ、製造資金を調達。また、当拠点が窓口になり、医療機関への配布作業を担うとともに、地元紙にプレスリリースを行い、多数の問合せを獲得した。その後、有料でも欲しいとの声を受け、有償配布を決定。ホームセンターと連携した小口販売を提案した。
無償提供の終了後も順調な売れ行きで、販売数はホームセンター経由だけで1,600個を超えている。また、この製品化の動きを見て、高知県産業振興センターからの公的調達として新たにパーティション製作の要望を受けた。試作品の供給を行ったところ、県庁や銀行、県関係財団にも広がり、50件を超える受注を受け、800万円を超える販売実績となっている。
相談者は、医療従事者に資材が行き渡らず困っている窮状を聞き、少しでも役にたちたいとの思いから本事業を始められました。当拠点も、その心意気を応援しようと支援をしたところ、多くの方から取組への支持があり、それが事業化への後押しとなりました。
創業して30年、地域に何か貢献できないかと思っていたとき、フェイスシールド不足のニュースを見ました。これなら社内でできると、COの助言を得ながら製品づくりを進め、無料で配布することができました。引き続き、事業化も見据えて取り組んでいきます。