「和牛の道の駅」で自社ブランド牛をPR 顧客の心を捉える伝え方と見せ方で集客力向上へ | よろず支援拠点全国本部

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「和牛の道の駅」で自社ブランド牛をPR 顧客の心を捉える伝え方と見せ方で集客力向上へ

昭和31年の創業以来、良質な系統和牛生産に取り組む。平成12年、3代目の就任を機に、「有限会社福永畜産」を設立。現在は、鹿児島県さつま町の豊かな大地で、約1,800頭の黒毛和牛を管理し、繁殖から肥育、生産、加工販売までを一貫体制で行っている。数々の受賞歴を誇る自社ブランド「さつま福永牛」を直接消費者に届けるべく、平成24年、焼肉レストランを鹿児島市内にオープン。令和2年からは事務所に店舗を併設し、精肉の加工販売・通信販売事業を開始。現在は、自社ブランドのおいしさやこだわりを国外にも広めたいと香港やフィリピンを中心に輸出の強化に取り組んでいる。

公開日: / 都道府県:鹿児島県 業種:農業・漁業・林業 課題: 売上拡大

有限会社 福永畜産

代表者:福永 充(ふくながみつる)
住 所:〒895-2104 鹿児島県薩摩郡さつま町柏原1572
連絡先:0996-59-8911
URL:https://satuma-fukunaga.shopinfo.jp/

昭和31年の創業以来、良質な系統和牛生産に取り組む。平成12年、3代目の就任を機に、「有限会社福永畜産」を設立。現在は、鹿児島県さつま町の豊かな大地で、約1,800頭の黒毛和牛を管理し、繁殖から肥育、生産、加工販売までを一貫体制で行っている。数々の受賞歴を誇る自社ブランド「さつま福永牛」を直接消費者に届けるべく、平成24年、焼肉レストランを鹿児島市内にオープン。令和2年からは事務所に店舗を併設し、精肉の加工販売・通信販売事業を開始。現在は、自社ブランドのおいしさやこだわりを国外にも広めたいと香港やフィリピンを中心に輸出の強化に取り組んでいる。

公開日:
都道府県:鹿児島県/業種:農業・漁業・林業/課題:売上拡大

有限会社 福永畜産

代表者:福永 充(ふくながみつる)
住 所:〒895-2104 鹿児島県薩摩郡さつま町柏原1572
連絡先:0996-59-8911
URL:https://satuma-fukunaga.shopinfo.jp/

目次

  1. 相談のきっかけ
    「さつま福永牛」のこだわりやおいしさを広く伝えたいと拠点に相談
  2. 課題
    売上拡大のための課題は情報の見せ方・伝え方
  3. 支援内容
    店舗のコンセプトを再定義し、キャッチコピー「和牛の道の駅」を考案
  4. 支援の成果
    「和牛の道の駅」発信後、1カ月で売上が前月比143%増

相談のきっかけ
「さつま福永牛」のこだわりやおいしさを広く伝えたいと拠点に相談

SNSを活用したPRやPOP制作に取り組むが思うように認知が広がらないことが課題に

昭和31年の創業以来、鹿児島県さつま町の豊かな大地で、約1,800頭の黒毛和牛を生産する同社。ビタミンを豊富に含む牧草を与え、肥育時期によってエサを変えるなど、こだわりをもって育てられた牛は、ブランド牛「さつま福永牛」として全国に出荷されている。受賞歴も多く、令和5年10月に開催の「第17回 全国肉牛事業協同組合枝肉共励会(黒毛和種)」ではグランドチャンピオン賞に輝いている。令和2年からは、事務所に精肉店を併設し、消費者に直接ブランド牛を販売することに。「脂の質が良いため後味がさっぱりしており、とろけるような口当たりが特徴。味には絶対の自信があり、地元の人にもっと『さつま福永牛』を食べてほしいと思っていました」(相談者)。しかしその想いとは裏腹に、精肉店の客足は伸びない。そこで相談者は地元産のブランド牛をPRしようとSNSでの情報発信に取り組んだ。「店舗の知名度を上げたいとインスタグラムを始めました。ただ初心者の私には、操作や効果的なPR方法がわからず困っていました。そんなとき定期相談会を知り、相談に行ってみることにしたのです」(相談者)。

課題
売上拡大のための課題は情報の見せ方・伝え方

屋号である「福永畜産」を打ち出しても精肉店と認識されず集客につながらない

SNSでの店舗PRを試みていた相談者に対し、当拠点が主にアドバイスしたのは、インスタグラムの操作や活用方法であった。しかしヒアリングを進める中で、真の課題は情報発信や宣伝広告にあると考えた。そこでグラフィックデザインやコピーライティングのスキルをもつCOをメインの担当に据え、課題を洗い直すことにした。まずCOは売り場の現状を写真から確認。当時、売り場には中身が見えない業務用冷蔵庫だけが置かれており、どこに何の商品があるかわかりにくい上、相談者が自作したPOPでは商品の特徴が伝わらないなどの課題があった。「相談者は総務担当者で、広報やデザインのプロではないため、情報の伝え方や見せ方に課題がありました」(江副CO)。さらに現場訪問の道中で、店舗が精肉店だということが伝わってないのでは?と気付く。なかでもCOが着目したのは店舗のネーミング。屋号である「福永畜産」は「畜産農家」の印象が強いため、屋号が描かれた看板があっても、「和牛が買える場所」であることがわかりにくかった。「顧客に精肉店と認識してもらうには、効果的なキャッチコピーが必要だと感じました」(江副CO)。

支援内容
店舗のコンセプトを再定義し、キャッチコピー「和牛の道の駅」を考案

和牛の加工販売所と一目でわかるキャッチコピーを作成し集客を図る

相談者がデザインソフトを扱えたことから、COはPOP制作のルールやテクニックをアドバイスしながら、デザイン改善を行った。品名と価格のみだったPOPには、商品を説明する一文を加えることで、その特徴がわかるようにした。同時に、売り場環境の改善にも着手。COが現場に立ち会い、数ある掲示物の中から販売促進に必要なものを厳選し、一つひとつのPOPの訴求力を高めた。また中身が見えない業務用冷蔵庫の前には、買い物カゴを置くことを提案。顧客自ら冷蔵庫を開けて商品を選べることが伝わるよう工夫した。さらに店舗への集客を図るため、COは相談者と共に店舗のコンセプトを表現するキャッチコピーの作成に取り組んだ。「何を販売している店なのか」を明確にし、地元産の高品質な和牛をリーズナブルに購入できることを訴求するため、キャッチコピーは「和牛の道の駅」とした。この文言は、インスタグラムに打ち出したほか、のぼり旗にも採用して店舗をPR。旗は目印となるよう道路沿いに設置し、通行人の目を捉えるようにした。

支援の成果
「和牛の道の駅」発信後、1カ月で売上が前月比143%増

のぼり旗を見た人が数多く来店 集客力が上がり、売上拡大を実現

「和牛の道の駅」を打ち出したのぼり旗の効果は絶大で、設置から1カ月で、売上は前月比143%増となり、来客数は前年比131%に。地元民の新規来店にもつながった。顧客からは「のぼり旗が気になって来た」といった声が多く聞かれた。また、POPのデザインや売り場の改善により、顧客は店員に商品の場所や特徴を尋ねなくとも、スムーズな買い物ができるように。現在、店舗は以前にも増して賑わいをみせている。「定期相談は一緒に悩み考え、アイデアを出す作戦会議の場でした。二人三脚の取組が成果につながりました」(江副CO)、「お客さまに来てもらうには待つだけではダメ。戦略立案と実行が大切。作戦会議を重ねる中で、“待ち”から“攻め”へと姿勢が変わりました」(相談者)。そうした攻めの姿勢は、さらなる取組を生む。2024年1月頃から、COと相談者がデザインしたキッチンカーを稼働させ、地域のイベントなどで、人気のメンチカツや和牛串カツを提供予定だ。今後は「さつま福永牛」の輸出先を拡大したいと話す相談者。これを受け「ならば、ホームページを強化しませんか」と提案するCO。作戦会議はこれからも続く。

事例を振り返って

・さまざまな経歴や専門知識をもつスペシャリストが多く在籍する拠点の強みを生かし、事業者のニーズに合わせたCOを選定

・良き聞き手・理解者になることはもちろん、一緒に悩み考えながら共に課題解決を目指す「共創型」で事業者を支援

・集客につながるPOPやキャッチコピーの作成をアドバイスするとともに、役立つツールや参考資料を提供しスキル向上をサポート

相談者の声

「さつま福永牛はもっと売れる!」初回の相談でそう声をかけていただき、「私たちの商品は売れる」と自信をもつことができました。ただ提案やアドバイスをカタチにする作業は決して簡単ではありませんでした。その中でCOの江副さんは、SNSの効果的な配信方法やPOPデザイン、売り場づくり、キャッチコピー作成など、ご自身の専門知識を私たちに伝授し、事業者の自発性を大切にしながらサポートをしてくれました。だからこそ短期間での成果につながったのだと思います。何よりも事業者に全力で寄り添ってくださったことが、私たちにとっての大きな支援となりました。江副さんは、当社が成長する上でなくてはならない存在となっています。

支援した拠点

鹿児島県よろず支援拠点

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