文具ブランド「KASHIKO」で石川・金沢の伝統工芸デザインを海外へ
金沢市にある「nakabi株式会社」は昭和55年創業の印刷会社。「GOODデザインで、人々や企業を輝かせる。」をミッションに掲げ、これまでは主に流通系の折込チラシ、カタログ、パッケージのデザイン・製造を行ってきたが、近年、インターネットの普及で受注が減少している。相談者は同社2代目代表取締役。平成19年の社長就任以来、既存のビジネスモデルは将来成り立たなくなると考え、マーケティング・デザイン分野へ注力している。
代表者:今川 弘敏
住 所:〒921-8027 石川県金沢市神田1-22-19
連絡先:076-242-2265
URL:https://nakabi.jp/
金沢市にある「nakabi株式会社」は昭和55年創業の印刷会社。「GOODデザインで、人々や企業を輝かせる。」をミッションに掲げ、これまでは主に流通系の折込チラシ、カタログ、パッケージのデザイン・製造を行ってきたが、近年、インターネットの普及で受注が減少している。相談者は同社2代目代表取締役。平成19年の社長就任以来、既存のビジネスモデルは将来成り立たなくなると考え、マーケティング・デザイン分野へ注力している。
代表者:今川 弘敏
住 所:〒921-8027 石川県金沢市神田1-22-19
連絡先:076-242-2265
URL:https://nakabi.jp/
相談者は茶道を嗜んでおり、茶道を通じて伝統工芸作家と交流する機会があった。作家はネットワークが限定的で営業活動に課題を抱えていることを知り、同社の強みであるデザイン力・紙製品のノウハウを生かし、作家を応援する文具プロダクト「KASHIKO」を開発した。気軽に買える文具とすることで日常使いが可能で選ぶ楽しさがあり、作家の認知度向上および収益化に寄与することを目指している。BtoBだけでなく、これまで同社では経験がないBtoCへの展開も考えており販路を開拓すべく今回の相談に至った。
相談者は、相談の時点で既にいくつか販路を有していたが、文具メーカーとしては無名に近く、まずは、同社の認知度向上が課題であった。売場を確保できた場合でも、現状はアイテム数が限られているので開発を続ける必要もあった。自社のリソースを最大限に活用した取組なので資金的な負担は小さく、仕様変更やデザインの追加に関しても問題はなかった。印刷業界の現状として、現在の印刷技術の発達により顧客は企業間の技術の差を感じにくくなっており、一般的な印刷物はインターネットで比較検討できるため価格競争に陥っている。同社も例外ではない。同社が行う今回のプロジェクトで、顧客の集客を支援することは付加価値を高める取組である。同時に、印刷受注の拡大も課題である。そこで、自らのプロダクトを通じて企画力、プロモーションのアピールをする必要性があった。
国内の販路拡大に関しては、県のファンド事業を活用して文具見本市などの展示会に出展し、国内マーケットの感触を確かめた。また、当拠点の別のCOからは動画を使ったプロモーションのアドバイスを実施。リアル・WEBの両面で販路開拓に取り組んだ。作家の数とアイテム数が揃ったあとには、新たな取組として未活用の自社倉庫を改装してギャラリーを開設。海外の販路開拓は、JETROと連携した支援を実施し、令和5年9月にパリで行われた国際的な文具見本市「メゾン・エ・オブジェ」へ出展した。同見本市では、フランス中心に20カ国以上のバイヤーと面談。受注につながった。
「KASHIKO」は令和3年2月の販売開始から2年半で1,000点以上販売。各種イベントへの出展を重ね、認知度も高まっている。ギャラリーも業界内で評判となり、利用する作家のDMやパンフレットなどの印刷受注につながっている。今後は、中小機構など他の支援機関とも連携し、さらなる海外の販路開拓に取り組んでいく予定である。
・展示会に出展し、国内マーケットで感触を確認
・未活用の自社倉庫を改装してギャラリーを開設
・JETROと連携し、海外への販路拡大を支援
当社ではBtoC事業は初の試みでしたので、事業計画書作成からご支援をいただきました。主観的になりがちな計画は、より実行性が高いものになりました。また、定期的に事業課題の共有や改善のアドバイスもいただいており、心強く思っています。3年目で売上面ではまだまだですが、できることから一つひとつ挑戦して、さらなる収益化を図っていきたいと思っています。