強みを生かした新製品開発と営業秘密管理体制を構築し収益拡大へ | よろず支援拠点全国本部

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強みを生かした新製品開発と営業秘密管理体制を構築し収益拡大へ

福島県いわき市にある食品加工会社で、主にレトルト食品製造を行う。無添加にこだわった食品を提供しており、同社の主力製品は常温で4カ月保管が可能な「月色プリン」。滅菌技術のノウハウが詰まった一品である。

公開日: / 都道府県:福島県 業種:製造 課題: 経営改善・事業再生

株式会社 いわき遠野らぱん

代表者:平子 佳廣(たいらこ よしひろ)
住 所:〒972-0161 福島県いわき市遠野町上遠野字若宮60‐1
連絡先:0246-89-3125
URL:https://www.iwakitohno-lapin.co.jp/

福島県いわき市にある食品加工会社で、主にレトルト食品製造を行う。無添加にこだわった食品を提供しており、同社の主力製品は常温で4カ月保管が可能な「月色プリン」。滅菌技術のノウハウが詰まった一品である。

公開日:
都道府県:福島県/業種:製造/課題:経営改善・事業再生

株式会社 いわき遠野らぱん

代表者:平子 佳廣(たいらこ よしひろ)
住 所:〒972-0161 福島県いわき市遠野町上遠野字若宮60‐1
連絡先:0246-89-3125
URL:https://www.iwakitohno-lapin.co.jp/

目次

  1. 相談のきっかけ
  2. 課題
  3. 支援内容
  4. 支援の成果

相談のきっかけ

収益向上のため自社製品の販売比率を高めたい

相談者は豊富な製造技術を生かし、多種多様なレトルト食品を手掛ける。特に、フィトケミカル(野菜の栄養素)の高効率抽出技術や、独自の滅菌技術を駆使した常温保存可能なプリン製造が強みであり、試行錯誤の積み重ねによる模倣困難で高い技術力を有している。しかし売上がO E M 受注に依存しており、収益向上には自社製品の販売比率を高める必要があったため、今回の相談に至った。

課題

「月色プリン」に続く自社製品の開発と技術の保護

COは、相談者の今後の方針を決定するために、知的資産経営やローカルベンチマークなどの手法を用いたSWOT分析を行う必要があると判断した。COのアドバイスにより社長や工場長、幹部社員が分析を実施した結果、主な強みとして「温度と圧力の調整による滅菌技術」と「OEM受注で培った無添加食品のレシピ」であることがわかった。しかし、これらの営業秘密を保護する体制が整っていないことが課題として浮かび上がった。一方で、製品開発力に関しては弱みがあり、開発に必要な発想法やマーケティングの知識を系統的に学ぶ必要があることが明らかとなった。

支援内容

製品開発のための勉強会実施と営業秘密管理体制の構築

COは製品開発とマーケティング支援の一環として、社長、工場長、関係従業員に「新製品開発のための発想方法とマーケティング」というテーマで勉強会を実施した。勉強会での意見交換により、①こだわりの無添加食品、②滅菌技術、③蓄積されたレシピ群を活用し、高所得者層向けの介護食品開発と、既存プリンのラインナップ充実に取り組む方向性が決まった。また、COはINPIT福島県知財総合支援窓口と連携し、INPITの専門家派遣を活用。約半年間にわたり営業秘密管理体制の構築をサポートすることで、最終的には従業員向け説明会を実施し、管理体制を構築することができた。

支援の成果

派生製品開発によるプリンは年間60万個の販売に成功

高所得者層向けの介護食品開発が順調に進むなか、「月色プリン」のラインナップの拡充に取り組み、派生製品として「ショコラプリン」や「ご当地プリン」など20種を開発・販売した。その結果、プリンは前年比2倍の年間60万個を販売し、売上収益ともに十分な水準を確保できた。さらに、営業秘密管理体制の構築の経験が従業員の意識向上や自走化につながり、今後のさらなる成長へ向けた土台も整った。

事例を振り返って

● 支援方針を決定するに当たり事業分析を提案
● 専門家派遣を活用し営業秘密管理体制を構築
● 相談者の納得感に留意し自走化の流れを促進

相談者の声

当社の強み弱みという事業性を分析したことにより、今後の方向性が明確になりました。また、技術を営業秘密として保護することが、事業拡大のための重要なリスク管理であると再認識しています。事業性の評価や営業秘密管理体制の構築を通じて、従業員が自発的に行動する姿勢がより強まってきたと実感しています。

支援した拠点

福島県よろず支援拠点

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