自社の製造工程の見える化と製品の設計変更と使用部材の変更提案による製造原価の削減 | よろず支援拠点全国本部

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使用部材の変更提案による製造原価の削減

自社の製造工程の見える化と製品の設計変更と
使用部材の変更提案による製造原価の削減

創業後14年目の薄板鈑金加工(製缶、溶接、金属板打抜き)が主要業務の当地中位の金属加工事業者。主要業務は、①JRの線路切替ポイント給油装置製造、②地元大手機械メーカーからの多様な製缶物加工や高い加工技術と超短納期加工にも対応可能な施工体制により、順調に顧客増加している。近年の円安、原材料価格の高騰にも問題意識を持って積極的に対応中。

公開日: / 都道府県:広島県 業種:製造 課題: 価格転嫁

協和ジーク株式会社

代表者:日南田 康登
住 所:〒721-0952 広島県福山市曙町4丁目18番11号
連絡先:084-982-6671
URL:http://www.kyouwa-g.jp

創業後14年目の薄板鈑金加工(製缶、溶接、金属板打抜き)が主要業務の当地中位の金属加工事業者。主要業務は、①JRの線路切替ポイント給油装置製造、②地元大手機械メーカーからの多様な製缶物加工や高い加工技術と超短納期加工にも対応可能な施工体制により、順調に顧客増加している。近年の円安、原材料価格の高騰にも問題意識を持って積極的に対応中。

公開日:
都道府県:広島県/業種:製造/課題:価格転嫁

協和ジーク株式会社

代表者:日南田 康登
住 所:〒721-0952 広島県福山市曙町4丁目18番11号
連絡先:084-982-6671
URL:http://www.kyouwa-g.jp

目次

  1. 現状
    原材料価格の高騰による利益率の低下への対応策
  2. 課題
    価格転嫁交渉の事前準備と理論武装
  3. 支援内容
    行動計画(アクションプラン)に沿った稼働とPDCAサイクルの実施
  4. 支援の成果
    自社のコスト構造の認識と改善による説得力のある価格転嫁交渉の継続

現状
原材料価格の高騰による利益率の低下への対応策

相談者は、技術力の高い当地中位の薄板鈑金加工業者であり、近年の原材料価格の高騰(相談者の受注の殆どは材料持ち)と電力料金、消耗品(酸素、溶接棒等)の値上げにより、相談者の主力商品である「線路切替ポイント給油装置」の原材料価格が約30%値上がりしている(5年前対比)ことから、原価の削減策、自社での生産性向上の為の施策、価格転嫁交渉の進め方等の相談があった。

課題
価格転嫁交渉の事前準備と理論武装

利益率の改善、適正な粗利益の確保に向けて、行動計画を以下の4点で整理し、問題意識の共有化を図った。1点目は、当該主力商品の詳細な原価の算出と原材料価格高騰前(平成30年)と現状(令和5年)との比較。製造原価は原材料価格、労務費、その他製造経費ごとに出来る限り詳細に算出。2点目は、自社内で出来る、とるべきコスト吸収としての自助努力、合理化投資。3点目は、商品の品質を保持した状態で可能なコストダウンの方策の検討、発注先への提案。特に使用部材の変更等。4点目は、上記3つを行いつつ同時に粘り強い説得力のある価格交渉を行うこと。

支援内容
行動計画(アクションプラン)に沿った稼働とPDCAサイクルの実施

1点目に対して、主力商品製造に使用する主要部品(15品目)につき単価、使用個数を平成30年と令和5年との対比を原材料価格のコストアップを確認し、価格転嫁交渉の基本資料とした。2点目に対して、自社で出来るコストダウン施策として、作業現場と管理部門それぞれにモニターを設置し、受注状況・作業の進捗状況の見える化を行い、一定の生産性向上が得られ、一定のコスト吸収ができた。3点目に対して、特に価格上昇が大きい部品については、より価格の低い部品への転換、さらに原価削減効果の大きいデザインの一部変更等の提案を行った。4点目に対して、原材料価格の高騰、労務費の上昇、その他製造経費の高騰をすべてカバーできる価格転嫁は困難であるが、引き続き、交渉材料を整備しつつ粘り強く続ける。

支援の成果
自社のコスト構造の認識と改善による説得力のある価格転嫁交渉の継続

現状は、説得力、緊張感のある前向きな価格転嫁交渉のスタートの段階と考えている。説得力のある交渉材料(精緻な原価計算、価格上昇のエビデンス等)と発注先にもメリットのある提案力が今後の価格交渉の決め手と考えている。今回のアドバイスをきっかけに適正な価格転嫁ができるよう継続的に支援することを考えている。

事例を振り返って

価格転嫁交渉を行う前のより詳細な原価コストの把握と原価削減の努力。相談者は「材料持ち」の受注が大半であり、まずは原材料価格の正確な把握と削減努力を意識した。一方的な価格転嫁ではなく、担当者と建設的な提案(デザイン変更等)を通じた問題意識の共有、他社への発注変更防止を意識した。

相談者の声

過去のデータを改めて整理することで、具体的に原材料価格がどれだけ上がっており、利益を圧迫しているのかを知ることができました。また、それらの価格を単純に客先に転嫁するのではなく、自社でもコスト削減に取り組み、それを伝えること、客先とも建設的な話にするような交渉術を知ることができました。

支援した拠点

広島県よろず支援拠点

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