高級市場への参入とブランド化へ挑戦 首都圏の百貨店に常設店もオープン
相談者は、熟成豚肉「氷室豚」で高級品市場にチャレンジしようと考えていたが、商品のブランディングや高級品市場への販路開拓のノウハウがなく、すべてが手探り状態であった。その折、国が認定する「地域資源活用事業」に向けての相談会でCoと出会い、支援を求めた。
氷室豚は、同社独自の「熟成技術」と「氷温熟成技術」を融合して作られる熟成肉で、通常の豚肉に比べ、くどさもなく栄養価も高く魅力的な商品であった。しかし、精肉そのままの状態では一般精肉との差別化は難しい。そこでCoは「「氷室豚」という名前の認知度を向上していくこと」が今後の事業展開に向けた課題とした。首都圏の百貨店への販路開拓に向け、売り場責任者やバイヤーへのPR戦略、高付加価値商品の販売方法などの検討を始めた。
まずは認知度向上に向けた支援を開始。精肉だけでは魅力を伝えるのは難しいことから、「氷室豚」の美味しさを視覚化してアピールできるようレシピ開発を提案。相談者は、Coがマッチングした有名百貨店の三越と繋がりのあるシェフとともに「氷室豚の果実煮」を完成させた。また、県主催「地場産フェスタ」などの展示会や商談会に出展しPRしていくことを提案。開発した果実煮などのレシピを基にした試食や栄養価などの魅力をわかりやすく伝えるパネルを展示するようアドバイス。また、有名百貨店バイヤーと売り場責任者双方に、直接営業をかけていくことも提案した。
結果、伊勢丹新宿店の限定ギフトに「氷室豚の果実煮」が採用され、高級品市場へのチャレンジに成功。さらにANA機内サービスメニューや、JR東日本の周遊型臨時寝台列車の食材にも「氷室豚」が採用された。
また、三越の関係者とのパイプができたことから、地下食品フロアで期間限定の「クリマショップ」を開設し、新開発した「コンフィ」や「生ハム」の売上は、期間中において1か月あたり約300万円を達成。さらに平成31年2月20日からは、伊勢丹新宿店に常設店もオープンした。