実業務にあった生産管理システム導入で生産管理能力向上の土台をつくる
同社では、基幹システムの老朽化により、現状業務とのミスマッチやデータ連携不足が発生していた。これまで問題点を紙ベースの伝票や帳簿管理などで補ってきたが、ベテラン社員の退職をひかえ、システムを一新する必要性が高まっていた。しかし社内には、システム担当者が退職し、専門知識を持つ者が不在である上、システムの資料やマニュアルも存在しない状況のため、システムの見直しや整備進行の手順がわからず、情報を求めて当拠点へ相談に訪れた。
Coのヒアリングの結果、「基幹システム老朽化による現状業務とのミスマッチ」、「基幹システムのデータ連携不足や社内ネットワーク未整備による業務の効率低下」、「業務マニュアルの不在」など、複数の問題点を整理。社内にネットワークシステムの専門家が不在な状況下でも、同社担当者の主導で業務内容に沿った基幹システムリプレイスを実行できるよう支援を行う必要があると判断した。
新しい基幹システムの製作発注を行うため、まず必要になるのが現状分析を踏まえた要件概要の整理と、RFP(提案依頼書)の作成である。今回は当拠点の実施機関「えひめ産業振興財団」のビジネスアドバイザーにも支援協力を仰いだ。提案依頼書発行の事前準備として、伝票データと情報の流れ、製品などモノの流れ、全体作業を把握するための業務フロー図を作成するよう提案。また、ベンダー選定の適正基準と、各種見積り内容の検証方法についてもアドバイスを行った。
作成した業務フロー図をもとに、ベンダー各社へ向けた提案依頼書を発行。プレゼンテーションと見積りを依頼すると、4社からの提案を受けた。提案依頼書の発行により、見積り精度が向上し、開発の工程数も削減できたことから、基幹システム開発費用は、現行ベンダーが当初提示した額から約30%削減に成功。収益向上にも寄与できた。また、同社システム担当者が提案依頼書の作成に関与することで社内情報管理部門の強化と自立化に向けた土台づくりが実現できた。現在は順調に社内システムの入替が進められている。