創業90周年を機にリブランディングに挑戦。 コロナ禍前と比較して売上は194％に拡大
愛媛県のたぬき伝説に由来するという昭和７年発売のご当地銘菓「たぬきまんじゅう」を販売。平成30年に経営者の高齢化などにより廃業となったものの、この銘菓を愛する森達正社長と森貴則専務が同年に新会社を立ち上げ、事業承継することで存続の危機を乗り越えた。近年では地元久万高原町の高級抹茶を使った「たぬきまんじゅう抹茶」を発売し、愛媛県民や観光客から高い支持を得ている。
たぬき本舗株式会社
代表者:森 達正（もり たつまさ）森 貴則（もり たかのり）
住 所:〒793-0062 愛媛県西条市西田甲450-1
連絡先:0897-66-8090
愛媛県のたぬき伝説に由来するという昭和７年発売のご当地銘菓「たぬきまんじゅう」を販売。平成30年に経営者の高齢化などにより廃業となったものの、この銘菓を愛する森達正社長と森貴則専務が同年に新会社を立ち上げ、事業承継することで存続の危機を乗り越えた。近年では地元久万高原町の高級抹茶を使った「たぬきまんじゅう抹茶」を発売し、愛媛県民や観光客から高い支持を得ている。
たぬき本舗株式会社
代表者:森 達正（もり たつまさ）森 貴則（もり たかのり）
住 所:〒793-0062 愛媛県西条市西田甲450-1
連絡先:0897-66-8090
目次
- 創業90周年を機に売上拡大に取り組みたい
- 若い世代に愛される「たぬきまんじゅう」への変革が課題
- 若い顧客層をターゲットにしたリブランディングを検討
- 6ヵ月で新規17店舗に納入開始。コロナ禍前と比較して売上194％達成
創業90周年を機に売上拡大に取り組みたい
同社社長は事業継承以来、現場改善や施策活用などの相談に当拠点を活用し、複数のCOによる支援を受けてきた。相談者である同社専務は、令和3年7月に当拠点主催の「ブランディング基礎講座」に参加したことをきっかけに、担当COと知り合った。90周年を機にキャラクターを一新して販売拡大を考えていたが、どのようにしたら良いか悩んでいることを相談したところ、担当COがブランド再構築をサポートすることで合意し、90周年に向けての準備を進めた。
若い世代に愛される「たぬきまんじゅう」への変革が課題
「たぬきまんじゅう」の味は幅広い年齢層から支持されていた。しかし、コロナ禍での観光需要減少の中、特に若い世代への訴求力が弱いと認識し、キャラクターやパッケージをリニューアルする必要性を確認した。また、菓子の多様化が進む中、「抹茶」に続いてさらなるバリエーション拡大も望まれた。相談者は地元である西条市産の苺を活用した商品を発売し、若い女性層にも愛される商品としての展開を検討。また、販路面では愛媛県内の観光客向けに、有力菓子売り場や空港、道の駅などへの納入に取り組むこととした。
若い顧客層をターゲットにしたリブランディングを検討
リブランディング（ブランド再構築）にあたり、若い女性を中心とした顧客層を明確 化。その上で、キャラクターを単に一新するだけでなく、たぬき伝説を踏まえつつ、 伝説のたぬきの“ひ 孫たち”というストーリーを構築した。デザインについては、制 作会社に新キャラクターのデザインを依頼。提案いただいた案をベースにブラン ドストーリーに合わせて修正し、議論を重ねて3体の新キャラクターを創りあげて いった。最終的に愛媛県知財総合支援窓口と連携して商標登録を行った。
6ヵ月で新規17店舗に納入開始。コロナ禍前と比較して売上194％達成
相談者がブランディングに情熱を持ち、自らパソコンでデザインの修正など行いな がら、顔型のパッケージや、のぼりなどの販促物も形にしていき、令和4年4月に新 商品の発売にこぎ着けた。コロナ禍が続いているものの、令和4年9月実績でコロ ナ禍前の令和元年と比較して、売上194%（前年比303%)を達成。また、9月現在で 17店舗と新規取引ができ、条件の良い場所に専用コーナーが設置された。さらに は、 県内の有力店舗より「商品をぜひ置きたい」という引き合いが多数来ている。
ブランディングで重要なのは「一貫性・意図的・継続性」であり、キャラクターやパッケージはそのための一要素です。90周年に向けて個々の課題の検討を進めつつ、事業を発展し続けるために必要な考え方や販路拡大策、販促案などについて議論し、限られた支援時間の中で可能な提言を行いました。
事業承継から今回のリブランディングまで親身に指導していただきました。おかげ で、商品が地元のニュースに取り上げられるなど、期待以上の成果が出ています。 現在、3種類の商品ですが、バリエーションを増やしていくこ とで、地域の枠を超え て、全国で「たぬきまんじゅう」のファンを増やしたいです。