発想の転換で既存商品をヒット商品に!販売促進費0円・インスタグラム活用で年間売上高約27倍アップに成功 全国33都道府県で新規取扱店69社開拓!
昭和60年創業。農産物に恵まれた青森県で、サプリメント(栄養補助食品)、化粧品、農業資材などの通信販売、卸売販売を手がける。平成24年、サプリメントや加工食品をデザインから製品化まで一貫製造する工場を設立したことで、地域資源を活かした高付加価値商品づくりが可能となる。小ロット生産に迅速かつローコストで対応可能な設備や、サプリメント製造で培った研究開発力を活かしたOEM、ODM製品開発により、県内外の取引先から高評価を得ている。
代表者:柴田 浩一朗(しばた こういちろう)
住 所:〒030-0131 青森県青森市問屋町1丁目9−6
連絡先:(017)763-0880
昭和60年創業。農産物に恵まれた青森県で、サプリメント(栄養補助食品)、化粧品、農業資材などの通信販売、卸売販売を手がける。平成24年、サプリメントや加工食品をデザインから製品化まで一貫製造する工場を設立したことで、地域資源を活かした高付加価値商品づくりが可能となる。小ロット生産に迅速かつローコストで対応可能な設備や、サプリメント製造で培った研究開発力を活かしたOEM、ODM製品開発により、県内外の取引先から高評価を得ている。
代表者:柴田 浩一朗(しばた こういちろう)
住 所:〒030-0131 青森県青森市問屋町1丁目9−6
連絡先:(017)763-0880
同社は、取引先の要望に応じ、小ロットをローコストで受託生産可能なOEM、取引先の希望する製品の開発、生産し提供するODMを得意とする。また、自社ブランド製品として、地元青森の特産物である「にんにく」を使った粉末調味料の「にんにく塩」、「にんにく醤油」、「にんにく唐辛子」を開発。観光客を主なターゲットに設定し、これらを地元の道の駅、土産物店などで販売している。にんにくは臭いが強く、加工には特別なノウハウが必要だが、同社はサプリメント製造で得たにんにくと他の素材を均一に混合させるなどの特殊加工技術により、他社製品との差別化を図っている。しかし、青森県内では、にんにく調味料を手がける地元他社との競合が激化。また、県外のスーパーなどでは一般的な醤油や塩と同じ棚に並べられ、価格競争にさらされていることなどから、売上は伸び悩んでいた。こうした事態を打開するため、商品パッケージを刷新し、インターネットを活用して幅広い顧客層に向けた販路拡大を目指すことを志向。従来から継続的にアドバイスを受けていた当拠点への相談に訪れた。ところが企画段階で、新型コロナウイルスの流行拡大が発生し、県外移動の自粛要請が観光産業に大きな打撃を与えた。観光客を主なターゲットとする従来の販路での売上は一層低迷する事態となり、早期の立て直しが急務となった。
相談者、COともに、他社にんにく調味料と競合する理由、県外スーパーなどで売上が伸び悩む理由は、「商品の良さをきちんと顧客に伝えることができていないため」との認識で一致していた。そこでCOは、道の駅や土産物店などリアル店舗での顧客ターゲットと設定していた「料理に興味のある30代以上の女性」を見直すよう提案。ネットを活用して、「料理への興味」があり、かつ、性別や年齢にとらわれない顧客層にアプローチできないかを考えた。COは、相談者との面談において、相談者自身がアウトドアキャンパーであり、にんにくを使った調味料を愛用していることがわかった。そこで、COは顧客ターゲットを「アウトドアキャンプを楽しむ層」にすることを提案。キャンプを楽しむ層は、老若男女、性別を問わない上、バーベキューなど料理との親和性も高く、調味料を使う機会が多い。また、キャンプでの料理は目玉イベントであり、ふだん使う食材よりもランクを上げる人も少なくないことから、高級志向にシフトしても、顧客に受け入れてもらえる余地は十分にあると考えた。この方向性はコロナ禍の到来前に決定し、新しく設定した顧客層に的確にアプローチするため、ブランド名を新たに定め、パッケージもリニューアル。加えて、ブランディングウェブサイトの開設を決定した。また、店のオーナー、スタッフと顧客の距離が近く、商品の良さが顧客に伝わりやすいと思われる小規模店舗を主な販路先に設定した。ただし、既存ラベル商品に関しても地元の道の駅を中心に今まで通りの商流を崩さないこととし、新しくパッケージデザインした「MOG」を新リニューアル商品として販売を開始した。
COと相談者は、ブランド名を「MOG(MillionOutdoorGarlic)」と定め、地元デザイナーに依頼して「アウトドア好きのための商品」であることがわかりやすく伝わるパッケージデザインとした。ブランディングウェブサイトは、社内でウェブサイトの方向性や課題の共有に“壁”を生じさせないため、また、更新や修正のタイムラグを避けるため、あえて自社で内製化した。相談者は画像処理ソフトが使える人材をウェブサイト制作担当者として選任。COは詳しいHTMLやデータベースの知識がなくても運営可能で、SNSとの連携も容易なネットショップサービス「TheBASE」を利用し、ブランディングウェブサイト開設を指導。顧客へのプロモーションには「アウトドア好き」がフォロワーになってくれるインスタグラムを利用し、商品の良さをフォロワーに口コミで広げてもらうことが最適と判断。あえて相談者の個人アカウントとして開設し、「MOG」を使ったアウトドア料理を主な投稿テーマとしつつ、「商品を売り込む投稿をしない」、「毎日投稿する」、「フォロワーからのコメント全てに丁寧に返信する」ことをルールとし、フォロワー2,000名の獲得を目指した。商品は大手チェーンには卸さず、地域のアウトドア用品店、アウトドア用品を扱うセレクトショップに絞り、新規販路開拓を実施した。
相談者は令和2年7月にインスタグラムを開設し、毎日更新を続けた。「MOG」を使った料理写真を掲載し、おいしくできたときも、そうでないときも、正直な感想とともに投稿、コメントにも丁寧に返信を行った。COは自身が写真家であることから、どんな機材を使うか、どんな構図で撮るかといった効果的な方法について具体的なアドバイスを継続した。こうした努力がアウトドアを楽しむ人々の共感を呼び、開設7ヶ月後に当初設定した目標の「フォロワー2,000名」に到達し、現在も増え続けている。また、商品の良さを伝えるため、相談者自ら販路となる地域の店舗をこまめに巡回するとともに、店舗主催のキャンプにも同行。参加者に直接「MOG」を知ってもらう努力を重ねた。さらに、「MOG」を新しく知った人が容易に入手できるよう、ブランディングサイトに取扱店一覧を掲載し、近隣に取扱店がない人のためにオンラインでの販売体制も整備した。こうした取組の結果、販売促進費0円にもかかわらず、同社のにんにく調味料はリニューアル前の令和元年度に比べ年間売上高約27倍を達成。現在、地元企業と提携し、お互いのノウハウ、技術を活かした新製品「MOGガーリックソース」、「MOGガーリック味噌ディップ」などを開発。さらにラインナップ拡充を図っている。地域の企業同士が手を取り、Win-Winの関係で成長を目指すロードマップを描き、取扱店も全国に広げていくことを計画中である。
リブランドとパッケージデザインの一新のほか、「販売促進費をかけない」ことがプロモーションの前提条件だったので、ツールをインスタグラムに絞りました。インスタグラムを使ったことのない相談者がうまく使いこなせるようアドバイスを続けたほか、「アクセス分析」などの運用ノウハウも提示し、毎日更新するためのモチベーションを促しました。自分が写真家であることから「おいしそうに見える写真の撮り方」を伝え、ときには撮影に同席して具体的なアドバイスなどを続けたことで、相談者との信頼関係を構築できたことも、成功の大きな要因になったと思います。
販売促進費をかけず、また、自身が使用経験のないインスタグラムを使っての販路拡大は大きなチャレンジでしたが、写真の撮り方からアクセス分析まで、継続的に相談できたことが成功の大きな要因だったと思います。こうした中、自身も近県のアウトドアショップに商品説明に伺うなど、地道な取組を続けています。オンラインで全国のご利用いただいているお客様にアプローチできる手法が確立できたことは、自社にとっても大きな財産になりました。