事業承継を機に経営を見直し新たな市場開拓と経営安定化に成功
昭和34年より製材業を営む「山仁物産株式会社」。北海道、北東北の広葉樹原木市場で、カバ・サクラ・ケヤキ・トチ・ハン・カツラ・セン・クリ・クルミ・ブナ・ナラ・ホオを仕入れ、顧客の使途に応じて、丸太乾燥・製材・天然乾燥・人口乾燥・木取り加工を行い、楽器・漆器・家具・仏具・樽のメーカーへ販売している。加工しやすい針葉樹と違って広葉樹は国産材需要の8%に留まり、製材広葉樹は全体の0.6%に過ぎない。競合企業が少ないニッチ市場である。
代表者:山口 卓也
住 所:〒017-0044 秋田県大館市御成町2-19-11
連絡先:0186-42-0383
URL:https://www.instagram.com/yamanib3/
昭和34年より製材業を営む「山仁物産株式会社」。北海道、北東北の広葉樹原木市場で、カバ・サクラ・ケヤキ・トチ・ハン・カツラ・セン・クリ・クルミ・ブナ・ナラ・ホオを仕入れ、顧客の使途に応じて、丸太乾燥・製材・天然乾燥・人口乾燥・木取り加工を行い、楽器・漆器・家具・仏具・樽のメーカーへ販売している。加工しやすい針葉樹と違って広葉樹は国産材需要の8%に留まり、製材広葉樹は全体の0.6%に過ぎない。競合企業が少ないニッチ市場である。
代表者:山口 卓也
住 所:〒017-0044 秋田県大館市御成町2-19-11
連絡先:0186-42-0383
URL:https://www.instagram.com/yamanib3/
同業他社で樹木の乾燥と製材技術の修業を積み、令和2年に同社に入社した相談者は、広葉樹の魅力を多くの人に知ってほしいと常に考えてきた。創業から60年にわたり、祖父と父、家族で築いてきた事業を引き継ぐに当たり、経営課題を明らかにしたいとの想いから秋田県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家派遣を依頼。担当した専門家が当拠点のCOでもあったことから、事業承継計画作成後に当拠点で引き続き支援することとなった。
同社は、広葉樹原木市場の競りにおける「目利きの良さ(内部が腐っていないか、木目の美しさはどうかなど)」に加えて、「木の種類に応じてメーカーが加工しやすい乾燥度と大きさに揃える技術力」で長年の信頼を得ており、これまでは特に営業活動を行わなくても経営が成り立っていた。しかし、近年では顧客であった事業者の廃業が増えたことから仕掛在庫が膨らんでいた。また、老朽化した製材機の修繕費がかさみ、人力に頼る生産と従業員の高齢化によって生産性が低下していた。工場内の在庫置き場は乱雑で、先代社長は在庫を把握していたが、後継者である相談者と従業員は、どんな木がどこにあるかを把握できていなかった。銘木をたくさん保管しているとはいっても、どんな用途に使う製材がどこに売れるのか、見当がついていなかった。
先代と協力して在庫を明らかにし、販売戦略を作成。在庫置き場を整理して販売できない製品は廃棄処分し、種類や製材の大きさで分類した後、秩序正しく並べて製品名を明記した。新たな在庫一覧表は「既存顧客向け」「リフォームの床材」「ブランド家具や彫刻家向け」「ウッドクラフトやDIYの一般消費者向け」と分類。在庫を探す時間が削減され、作業場が拡大した。過去に営業活動を行っていなかった同社は、ウェブサイト構築と企業パンフレット作成にも取り組み、木工の展示会などで新規顧客を開拓することにした。
決算時の在庫回転率は、前年の1.8回/年から2.7回/年に改善。作業時間の短縮、安全性・品質の向上を図るために設備導入を決め、COの支援のもと経営革新計画の承認、ものづくり補助金の採択を受けた。今後は、ECへの注力、展示会出展での広葉樹原材料の提案営業などを行う予定だ。
・相談者の広葉樹への想いと技術力に最大の敬意を払う
・5S活動「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の導入
・EC展開や展示会出展などの「攻めの販路拡大策」を提案
後継者としてやる気はありましたが、初めはどこから手をつけていいのかもわからず、暗闇の中にいるような気分でした。丁寧なヒアリングと幅広い知識からのアドバイスをいただき、進むべき方向が明確になりました。今回つくり上げた事業承継計画を羅針盤として、会社の舵を取っていきます。