「どの商品が利益を出すか」を販売員に周知、移動販売での収益を改善
昭和30年に創業した豆腐店。創業者である大島又五郎氏の姓名の頭文字をとり、屋号を「大又」とする。取引先は十日町市および津南町ほぼ全域のスーパーで、学校給食や施設にも納品。移動販売にも力を入れる。近年、自社工場の前に直売所を設け、特色ある商品を販売している。
代表者:大島 喜久代(おおしま きくよ)
住 所:〒948-0036 新潟県十日町市川治984
連絡先:025-752-3407
同社は十日町市周辺で豆腐や関連食材の移動販売を展開し、全売上高の半分以上をまかなってきた。具体的には軽商用車の荷台に保冷庫を設置し、戸別訪問し販売するという方式で、自宅にいる高齢者を主な顧客としていた。しかしこの移動販売の売上が減少し、2年連続の赤字決算になったことから、業績向上を目指し、従業員の意識向上や販売手法の改善、衛生管理やHACCP導入、新商品の開発等、幅広い支援を求めて当拠点に相談に訪れた。
COはまず、商品ごとの売上高と粗利の分析を行った。自店舗やイベント出店での新商品直販に力を入れ利益を増やしたいという経営者に対し、同じ売上高でも自社生産の商品は仕入れ商品よりも利幅が大きいことを前提にしつつ、粗利は商品1個あたりの利幅で決まるのではなく、利幅×販売個数で決まるという理解を深めてもらった。その上で、販売金額の比率が大きい移動販売の手法の改善が必要であると提案した。改善にあたっては、単価が数百円の商品が多いので、量と質、双方の拡大を戦略的に実施することが重要と判断した。
第一段階として、安定出荷が見込まれる卸し先の開拓を行った。競合事業者の廃業もあり、年間19%アップの売上を確保することに成功した。第二段階として、移動販売の改善に着手。これまでは販売員個人の力量で販売量が左右されていたことから、販売員ミーティングを開催し成功体験の共有、経験の浅い販売員とベテラン販売員との同行による複数人販売、同じ売上高なら自社商品の方がいいという評価基準の徹底を行い、組織的な販売方法への変革を推進した。
卸し販売での売上の安定化と移動販売の改善で、令和2年5月期と令和3年5月期の比較では、売上高が約740万円増、経常利益は約130万円の赤字から約180万円の黒字へと転換した。移動販売は、さらなる新規顧客開拓のため、今後は日時、場所を記したチラシを配って販売イベント開催の告知などを実施予定。さらに、直販店で手がける特色ある商品「もめんシェイク」「変わりがんも」を改良し移動販売でも取り扱うことを計画。販売量、顧客数の拡大を見込んでいる。
卸し販売での売上の安定化と移動販売の改善で、令和2年5月期と令和3年5月期の比較では、売上高が約740万円増、経常利益は約130万円の赤字から約180万円の黒字へと転換した。移動販売は、さらなる新規顧客開拓のため、今後は日時、場所を記したチラシを配って販売イベント開催の告知などを実施予定。さらに、直販店で手がける特色ある商品「もめんシェイク」「変わりがんも」を改良し移動販売でも取り扱うことを計画。販売量、顧客数の拡大を見込んでいる。
移動販売では特定の自社商品が大きく利益に貢献していることが分かったため、販売員全員に「仕入れ商品より自社商品」という意識改革を促し、拡販を促しました。また商品構成のマンネリ化を防ぐため、週替わりの「今週のがんも」を提案しました。販売スケジュールの立案、SNSでの情報発信も進めました。