人気お土産商品のリブランディングが成功、 “地域のお土産”から“全国で売れる商品”に
平成28年、相談者が個人事業主として創業。故郷である奄美大島のたんかん(柑橘類)や黒糖をはじめとした地域資源を用いた商品を製造販売する。事業の拡大にともない、令和3年に法人化。現在はお土産品だけでなく、大手百貨店、雑誌通販カタログにも掲載され、全国にファンを持つ。
代表者:田畑 栄子(たばた えいこ)
住 所:〒892-0862 鹿児島県鹿児島市坂元町47-89
連絡先:080-2714-8920
平成27年、ミカンコミバエ発生で島外への出荷ができなくなった奄美の果実類で商品を開発し、故郷を救いたいと考えたオーナーは、補助金について知りたいと思い、当拠点を初訪問。COの支援により、ナッツやいちじくに特産品の奄美産黒糖をまぶした「奄美ん黒糖シリーズ」の発売時には、補助金を活用しラベルを製作。このシリーズは奄美のお土産品として着実に根付いていった。さらに令和2年、同シリーズを全国に流通させるため、どのような方策を立てるかアドバイスを求め、再び当拠点に相談に訪れた。
奄美では人気のお土産品のポジションを獲得した「奄美ん黒糖シリーズ」だが、県外では取引先が増えず、販売数が頭打ちになっていた。その一方で、相談者自らがイベント出店や、観光施設でのテナント販売を手がけており、製造や商品のブラッシュアップに割く時間がなかった。しかしコロナ禍でイベント出店が減ったことで、事業を再検討する時間が生まれる。ターゲットやポジショニングを再検討し、商談会で県外のバイヤーの目にとまるよう、COの支援のもと、リブランディングを行うこととした。
COは、いちじくを自家製シロップに漬け込み、黒糖をまぶした商品がとくに人気であることに注目。“健康・美容好きの女性”が自家消費する商品としてリブランディングし、国内に広く流通させることを提案。ネーミングは美味しさを想起させる「奄美黒糖キャラメリーゼ」に変更し、パッケージデザインも世界自然遺産・奄美を印象づけるものに改めた。さらに自家用商品と“お得感”を打ち出すため、価格上昇を抑えつつ内容量を50gから100gに改定。バイヤーやファンとの接点となるブランドサイトも立ち上げた。
当拠点が開催したバイヤー商談会に出展すると、多数のバイヤーの目にとまり、さらには大手出版社、百貨店の媒体にも掲載され3000袋以上を販売。まさに全国規模で流通する商品となった。ターゲットの明確化で売上は11倍となり、また自社小売りから卸しメインに転換したことが生産性の向上にもつながった。さらに事業拡大にともない、令和3年に事業を法人化、合同会社を設立し、受注増に対応すべく、広い工房へと移転した。最初の相談から約6年、伴走した支援を継続。今後も販路拡大を支援していく。
リブランディングでは「バイヤーの目」を意識することを徹底しました。また必要な経費に関しては補助金などを活用するようアドバイスしました。商談においては売り手の伝えたい情報、買い手の知りたい情報を1枚にまとめた「FCPシート」を活用し、その後の流通にいたるまで、フェーズに合わせた支援を行いました。
手探りの小売りからの事業転換で、はじめてのことばかりで不安でしたが、COのみなさまが局面の課題に先回りしてアドバイスくださったので、スムーズに商談を進めることができました。今後も事業の拡大にともないさまざまな課題が出てくると思いますが、継続してのご支援をお願いしたいと思っています。