適正な価格設定で利益創出 ウェブサイト開設で売上が50％アップ
1979年創業。以前は原宿に店舗「お菓子のアトリエ」を構えていた。砂糖に印刷するインクの特許を取得し、通販業者を中心に名入れ商品を展開。現在は砂糖を原料とした工芸品であるシュガークラフトやその部品となるアイシングパーツなどを開発し、1点から制作を受注。有名キャラクター商品も手掛ける。
株式会社お菓子のアトリエ
代表者:代表取締役社長 小林 健蔵（こばやし けんぞう）
住 所:〒965-0034 福島県会津若松市上町4-24
連絡先:0242-25-3825
目次
- 相談のきっかけ
震災や冠婚需要の低迷が打撃となり売上半減で経営状態が悪化 - 現状分析・課題設定
価格設定方法の確立と潜在顧客の掘り起こしが課題 - 提案・実行支援
製造原価の算定で赤字受注を回避 ウェブサイト開設で魅力発信・ウェブ受注 - 支援成果と今後の展望
売上が対前月比50％アップを記録 適正な価格設定で利益も確保
相談のきっかけ
震災や冠婚需要の低迷が打撃となり売上半減で経営状態が悪化
デザイン性の高いシュガークラフトを作成する同社だが、東日本大震災や冠婚需要の低迷などの影響を受け、売上が半減、3期連続で営業赤字となった。東京支社の廃止などで固定費を削減するも、借入金返済のためのキャッシュ確保も難しい状況だった。そこで新市場の開拓や適正な価格設定・原価管理による経営安定化を図りたいと、当拠点に支援を要請した。
現状分析・課題設定
価格設定方法の確立と潜在顧客の掘り起こしが課題
シュガークラフトを製造している競合他社は少なく、単価設定の自由度は高かったが、原価を認識した上での価格交渉ができずにいたことが判明。また、商品の魅力を発信する自社インフラがなく、販売会社によるプロモーションに限定され、潜在顧客からの受注を掘り起こせていなかった。COは、原価の算定支援と、ブランド価値を高め、自社で直接受注できるウェブサイトの制作が急務であると判断した。
提案・実行支援
製造原価の算定で赤字受注を回避 ウェブサイト開設で魅力発信・ウェブ受注
COはまず、同社の加工費レートを分単位で明らかにし、掛かる工数を乗じ、材料費を加算することで、商品1単位の製造原価を算定できる仕組みを構築。これにより法人顧客との交渉時に製造原価を参照し、赤字受注を回避できるようになった。並行して、既存客との関係を維持し、従来の固定的売上は確保したうえで、「シュガークラフト」専門店として自社ウェブサイトを開設し、ウェブ受注を追加することを提案した。
支援成果と今後の展望
売上が対前月比50％アップを記録 適正な価格設定で利益も確保
ウェブサイト公開後、売上が対前月比50％アップを記録。ウェブ受注はBtoCを主目的としていたが、受注実績のない企業からのBtoBの相談も相次ぎ、潜在層の取り込みができた。また、加工費レートを用いた製造原価の算出により、利益確保を前提とした価格交渉が可能となり、利益率拡大と資金確保へと繋がった。キッズ向けYouTube動画で同社の「シュガークラフト」が使用されたこともあり、更なる売上拡大が期待される。
「シュガークラフト」は砂糖でありながら、デザインが付加価値であるため、最寄品ではなく、買回品・専門品として位置づけ、ブランド価値を高める戦略の構築が必要でした。相談を重ねた結果、ウェブ受注機能を備えたホームページ作成を決断されました。
すべて手づくり商品のため、今までは価格設定が曖昧でした。「シュガークラフト」を販売している会社が少なく、比較検討できずにいました。当拠点で、原価を意識した価格設定方法や会社としての利益の考え方を教えていただき、大変参考になりました。
