重点商品による販売戦略策で会社全体の売上総利益が4%増
相談者は平成17年から現在のパン製造・販売店『石窯工房ぷらむ』の事業を開始。パン作りのノウハウを一から学び直し、真摯にパン作りに向き合った結果、同事業は黒字転換していたが、元々の事業である学校給食の委託販売事業で採算が取れず、会社全体の収益性は低いままであった。さらに金融機関への改善計画の利益目標に達しておらず、経営改善に取り組む必要性を感じていた相談者。そうした状況の中、相談者の顧問税理士が当拠点のCCoと知り合いだったことから、当拠点の活用をすすめられ、相談に至った。
代表と相談者である専務のヒアリングから、競合店や主要顧客の属性、購買行動の特徴など分析。CCoは現店舗の商品・価格設定の調査も行った結果、他店と差別化できている商品が数多くあり、特に「天熟食パン」はリピーターも多い人気商品であることが判明。しかし、全商品に自信とこだわりを持っていたため、逆に総花的な販売戦略になっており、商品の個性が伝わりにくい状況であった。また、店舗レイアウトも確認すると、多くの改善点があった。そこでCCoは、販売促進のためにも「1番人気の“天熟食パン”を看板商品としてPRする販売戦略を立てること」、それにあわせた「店舗レイアウトの改善」が課題とした。
店舗の販売促進に向け、「天熟食パン」を看板商品としてPRしリピート客獲得を狙う販売戦略案を提案。「天然酵母使用で3日間熟成するこだわりの製法」をアピールするPOPを設置し、焼き上がりの時間帯や予約受付なども表記するよう助言した。また、店舗レイアウト改善に実績のある専門家と連携し、陳列方法の改善策を提案。エンド陳列を活用した戦略商品の販売強化、デッドスペース活用した季節商品のPRなど、実践的でコストがかからない提案をした。
看板商品としてPRしていったことと、商品陳列等店舗レイアウトの改善により、来店客数が増加。そのリピート率の高さから、「天熟食パン」の売上は前年比40%増と大幅に拡大。客単価自体は前年度とほぼ変化していないが、販売戦略の狙い通り客数が増加したことで、店舗全体で見ても前年対比で売上5%増となり減少傾向にあった売上高に歯止めをかけることができた。