未経験で事業を引継いだ女性社長2年半の伴走型支援で業績好転
代表者:田中 好江(たなか よしえ)
住 所:愛知県一宮市木曽川町里小牧字清水54-1
連絡先:0586-86-2880
大手自動車メーカーの三次下請けとして自動車部品の製造・販売を行う同社。平成24年、前社長が病気で倒れた。前社長の娘で当時30歳だった相談者が事業承継に向けて動き出したが、それまで跡取りという意識も薄く、経営管理の知識も少ない。なんとか工場を継続しようと努力したが、業績は徐々に低迷し、資金繰りも悪化。そうした窮状を何とかしたいと、メインバンクの紹介で当拠点に訪れた。
相談者に3代目として家業を残したいという強い思いがあることから、Coはまずは「経営管理に関する知識の取得、そして後継者教育として前社長の知的資産を継承すること」が課題であると判断。そして、本格的な事業承継を見据え、悪化している業績を改善するために、「売上拡大、仕入価格と経費水準の見直しから、資金繰りや品質管理等を検討し、競争力を強化すること」が次の課題であるとした。さらに相談者の自社株の持分がゼロであったため、後継者として自社株式の取得を進める必要があると判断した。
Coは相談者に、経営者としての基礎知識習得だけでなく、後継者教育としては、経営理念や取引先との人脈、従業員技術、自社のノウハウ、お客様情報等の知的資産の継承を進めるよう提案。社長引継ぎへの意思を確認し、愛知県事業引き継ぎ支援センターの支援で企業価値の概算評価をした上で自社株の移転手続を開始した。業績改善のための経営改善計画については、実施機関の専門家派遣を活用し、改善計画の骨子を策定した。
Coのアドバイスもあり、相談者は経営改善計画のアクションプランを着実に実行、発注先との価格交渉、新規受注先の獲得など努力の結果、見事に業績が好転。当拠点を活用した事業承継の成功事例としてTVで紹介され、放映翌月から売上高は前月比5%アップ、営業利益は100%超アップするなど業績が向上し、2期連続で営業利益の黒字基調が続いている。
資金繰りも経営改善計画書が認められ、メインバンクの支援により借換融資が実行され、キャッシュフローが改善。経営も安定した。相談者は仕事と家庭との両立に悩み、会社売却も一時は検討したが意思を固め、3代目の女性社長として歩み始めた。