大型鋼板の所在管理システム構築で10%超の生産性向上を実現
代表者:増田 敏二(ますだ としじ)
住 所:福井県福井市若栄町308
連絡先:0776-54-3321
鋼板に様々な加工を行っている同社。倉庫内を占める大量の鋼板の在庫は、大型で重量もあるため棚卸は容易ではなく、その在庫管理は煩雑を極めていた。入荷記録がある鋼板を探すにも担当者の記憶をたどり、目当ての鋼板を探し出すのに2日以上かかることもあった。業務効率を向上するため、ICタグを利用したいと当拠点へ相談に訪れた。
相談者の希望を叶えるためには、現物在庫と商品情報がシステム上で紐付けられていること、在庫位置をデータ化することで探索する工数を削減することが要件であり、これをICタグで実現できれば在庫管理自体は既成のシステムを活用できるはずだった。しかし、通常のICタグでは性能面で鉄との相性が良くないことが判明。鋼板にも使える他のICツールを探す必要性が出てきた。
担当Coの他、技術面に明るい他のCoも動員して鋼板に使えるICタグの有無を調査したが、代替となるICタグは見つけられず、バーコード方式なら利用可能であることから、それを活用した在庫管理システムの構築を提案。同時に貼り付けたバーコードと、それを検索して画面に表示させるシステムの構築に取り掛かった。基本的には自動倉庫のシステムと同じなので、経験のあるシステム業者を探し、無事システム構築を依頼することができた。Coは予算面も含めた導入計画の立案もサポートした。
バーコードを貼付して、在庫しているすべての鋼板がシステム上で管理できるようになり、必要な情報を入力すれば、画面上で所在している場所が点滅し、どの山の上から何番目にあるかが分かるようになった。何より重要なことは、誰でも在庫を確認して作業を進められるようになったことである。これにより在庫から取り出すための専任の社員が不要となり、人手不足の改善につながった。相談開始からここまで約2年。Coのアドバイスによって“本来実現すべきことは何か”からブレずに真の目的を達成することができた。現在、新システムの稼働により生産性も10%以上向上している。