水溶性のフラワーリース事業の拡大へITの活用や製造委託で売上1.5倍を達成
平成19年頃より趣味が高じて紙でつくるフラワーリース事業を始めた相談者。「TASKものづくり大賞」受賞をきっかけに注文も受けるようになり、特に「水溶性のフラワーリース」は環境に配慮した製品として神奈川県や広島県等の海上自衛隊に洋上での慰霊用として使われるなどし、年間180万円を売り上げている。相談者は、さらなる売上拡大に取り組めないか考え始めたが、営業活動には自信がない。そこでITを活用できないかと、当拠点主催のセミナー「お金をかけずにスマートフォンとYouTubeで売上アップ」に参加。その後、具体的な方策について相談した。
精巧な造りの水溶性のフラワーリースは、相談者が一人で手作りしている。工程が多く時間を要し、大量生産が困難なため、製造数が限られることがネックとなっていた。より短期間でより多く制作できれば、他県の海上自衛隊からの受注も得られ、売上拡大が見込めることから、Coは、「製造委託も含めた作業の効率化」を課題とした。特に製造を委託する場合には、「制作クオリティや時間の管理、外注費用の設定、ノウハウの流失を防ぐ対策、繊細な水溶性紙の管理方法を確立すること」が課題であるとした。
Coは、コピー商品抑止策として外部に出しても影響の小さい作業のみ委託するよう提案。また、相談者が作業のポイントや注意点を解説した作業動画を制作することで、高いクオリティが維持できると指摘した。さらに、繊細な水溶性紙の取扱い、制作物の管理方法等の留意点も盛り込み、明確に伝達。完成した動画は、関係者のみが閲覧できるようYouTubeで限定公開する方法をとることと、ITを活用することで作業力不足の解消と生産性向上を狙うことを提案した。
製造委託が功を奏し、より短い製造期間でより多くの作品を完成させることに成功。計画的かつ効率的な製品づくりによってスムーズに注文を受けることができ、新しい商品の開発に時間を使う余裕も生まれた。委託をする前の売上高は年間約180万円だったが、支援を受けてからは、約50%増加した。相談者はパソコン操作が不得意だったが、支援を受けていく中で徐々にITスキルをアップ。現在、ホームページの公開に向けて奮闘中。