CCoを中心としたプロジェクト方式で地域の名産となる新たなお菓子開発に挑戦
代表者:佐々木 平喜(ささき ひらき)
住 所:山形県東田川郡庄内町余目字沢田108-1
連絡先:0234-42-2909
近年、高齢化や人口減少等により、町内の老舗菓子店の廃業が相次ぎ、地域住民が手土産やギフトに利用できる地域色のある菓子がほとんどなくなってしまった庄内町。そこで、町役場の職員である相談者は、平成29年度に地域の新名物として、ギフトや土産に使える菓子開発に取り組むプロジェクトチーム「次世代!庄内町ブランド商品開発プロジェクトチーム」を発足。お菓子開発への具体的な取組みに向けて当拠点へ相談に訪れた。
開発に向けては、地域住民が求めているニーズに合致したお菓子を開発する必要がある。そこで、CCoはギフトやお土産として購入を考える際のフックは何かをチームメンバーと議論。その結果、「地域色があること」、「賞味期限が長いこと」、「個包装であること」「食べやすいこと」などが挙げられた。そこで、CCoは挙げられた意見を地域住民のニーズとしてまとめ、それら諸条件をクリアできる「地域色があり、かつ配りやすいお菓子を開発すること」を課題とした。また、現状プロジェクトチームとして開発・販売する仕組みができていない状況を確認。「地域として、開発・販売できるよう事業主体を整備すること」も課題であった。
商品開発は、郷土料理の「いとこ煮」や地域特産の「庄内柿」に着目し、この2つを軸にお菓子開発を進めるよう提案。「いとこ煮」は、お土産を配る際に配慮し、個包装であり、手で食べられるようにすること、また「庄内柿」は、加工による渋戻りをふせぐため、干し柿に加工したものを使用することを助言した。
さらに、事業主体の検討が課題になっていたため、庄内町新産業創造協議会が事業主体になるよう庄内町の担当者に提案。製造を担うスタッフは町内で募集
し、採用。協議会は庄内町の地域おこし協力隊、地域内の食品製造、販売事業者、加工事業者等で構成、次世代の幹部を担う人材に参加していただくよう提案し、様々な立場や現場の視点を通して商品アイデアの検討を行える体制を構築した。
支援の結果、「いとこ煮ゆべし」と「庄内町のほしがきさん」というお菓子開発に成功。「庄内町のほしがきさん」は、「やまがた土産菓子コンテスト」で最優秀賞とパッケージデザイン賞を受賞。「いとこ煮」と、その関連商品の売上は売店販売分だけで前年比約8倍に増加した。2つの新商品は発売間もないこともあり、予約が殺到し、製造が追いつかない状態に。当面は売店での数量限定販売と予約販売で対応中だ。