よろず支援拠点がハブとなった支援機関連携は強力な事業者支援を生み出す
添加物や余分な調味料は極力使用せず、味付けではなく素材の味を引き出す、見て・食べて・楽しい料理を提供する創作料理店「味工房すず」。「健康な食事(スマートミール)・食環境」コンソーシアムで最高評価の三ツ星認定店。コロナ禍前の夜の飲食中心から、見事に中食および惣菜販売業に転換し、食の提供ビジネスは広がるばかり。直近ではボランティアで子ども食堂も開始し、こちらも活況。「知名度上昇⇄社会的価値創造」という好循環も生まれている。
代表者:黒田 幸子
住 所:〒990-0833 山形県山形市春日町8-5
連絡先:023-646-2446
URL:https://ajikoubou-suzu.com/
添加物や余分な調味料は極力使用せず、味付けではなく素材の味を引き出す、見て・食べて・楽しい料理を提供する創作料理店「味工房すず」。「健康な食事(スマートミール)・食環境」コンソーシアムで最高評価の三ツ星認定店。コロナ禍前の夜の飲食中心から、見事に中食および惣菜販売業に転換し、食の提供ビジネスは広がるばかり。直近ではボランティアで子ども食堂も開始し、こちらも活況。「知名度上昇⇄社会的価値創造」という好循環も生まれている。
代表者:黒田 幸子
住 所:〒990-0833 山形県山形市春日町8-5
連絡先:023-646-2446
URL:https://ajikoubou-suzu.com/
相談者は、山形駅から徒歩10分程度の住宅や小規模店舗が混在する地域で創作料理店を経営。コロナ禍前は固定客に支持され、夜の飲食が中心の経営を行っていたが、コロナ禍で飲食客はほぼ皆無になり、飲食業界の将来を不安視したスタッフも離れ、女将と料理長の2人だけになってしまった。そこで、日本政策金融公庫から当拠点と連携して開催している相談会への参加を勧められ、苦しい現状を相談するに至った。
COは、相談会の限られた時間のなかで、相談者との会話から事業の概略を把握し、強み探しを行った。小規模事業者の場合は、弱みの克服よりも強みの磨き上げの方が効果的である。相談者である女将によれば、これまで、添加物や余分な調味料を極力使用せず、味付けではなく素材の味を引き出しながら、見て・食べて・楽しい料理を提供し、健康な食事に徹底してこだわってきた。コロナ禍においても、「新たなチャレンジをして突破したい」との前向きな言葉があった。「食に対する明確なコンセプト」と「強い事業意欲」。COは、相談者のこの二つの強みにコロナ禍を乗り切るヒントがあると考えた。コロナ禍では来店客を見込めないため、テイクアウトや店舗外での販売で現金収入を得ることにした。そこで、弁当を中心に中食を強化し、惣菜製造販売で事業の柱をつくりたいという女将の想いの実現に取り掛かり、併せて新商品開発に取り組むことにした。
新商品開発として、相談者である女将と当拠点、INPIT知財総合支援窓口とそこから派遣されたブランド専門家による新商品開発プロジェクトが始まった。横展開でタッグを組んだ支援力は何倍にもなる。試食、ヒアリング、改良を重ね、たんぱく質をダブルで摂取できる新商品「すずたま」が完成。素材確定と成分分析、JANコード、商標取得、各種デザイン確定に至るまで、すべてが未経験であった相談者は、女将として「自走」してやり切った。惣菜販売の設備やECへの投資は、当拠点や地元商工会議所も補助金の申請でサポートした。
支援機関が連携した取組は、複数の新聞や機関紙、公庫やINPIT知財総合支援窓口のウェブサイトでも紹介された。惣菜などの中食市場規模は拡大傾向にあり、その中心は相談者が最も得意とする弁当分野。全国的なスーパーマーケットからのスポット出店の要請や高速道路のサービスエリアへの納入など、活躍の場は拡大中だ。売上は、コロナ禍前程度まで回復傾向にある。
・相談者のストロングポイントと意思を確認
・三つの支援機関が連携する支援体制を構築
・有効な補助金の申請をサポート
相談会に参加したことが大きな転機でした。一人で悩み、自分の感覚で経営しながら、苦しくて何回やめようと思ったことか。でも、借入を返済するために続けるしかない。身近に相談できる支援機関の存在すら知りませんでした。そんな私の事業に対する想いを理解し、応援し、徹底して生かしてくれました。感動しかないです。