蕎麦店ならではの厳選素材のジェラートで売上10%増
蕎麦専門店として安定した人気を得ているものの、それに驕ることなく、来店した顧客に今以上に満足してもらえる「何か」を模索していた相談者。その中で蕎麦ジェラートの開発を思い立ち、平成29年7月に事業化の方法について相談するために富山商工会議所(富山県)を訪問したところ、当拠点を紹介された。
蕎麦茶を生かしたジェラートを作るアイデアは独創的だが、相談者にとって今回の商品開発は未知の世界。商品コンセプト、レシピ、パッケージ、ターゲット、原価の把握、販売方法等、すべて手探り状態からのスタートだった。そこでCoは、新商品を開発する「目的」と、商品の味を確定させる「コンセプト」の検討を課題に挙げた。相談者とともに時間軸を定めて取り組んでいくこととした。
当拠点では異なる分野の専門家5名からなる支援チームを編成。マーケティング&スケジュール管理担当Coは、時系列に計画を推進するための行動方針を提示。食品製造担当Coは、レシピ確立を推進するとともに、自社で製造を完結することによるリスクを避けるため、富山県内の冷凍メーカーを紹介。試作品制作から依頼するよう提案した。パッケージデザイン担当Coは、パッケージのコンセプトについての考え方をアドバイスした。さらに支援のきっかけとなった富山商工会議所の次長も交え、個々の専門性を発揮できる支援体制でスタートした。それぞれのメンバーの活動状況は随時チーム間で共有し、連携を図りながら遂行していった。
人気蕎麦店のオリジナルスイーツとしてメニューに加えられた「蕎麦茶ジェラート」は、常連客から好評を得て、客単価もアップとなった。メニューの選択肢が増えたことによる満足度向上も効果のひとつと言える。競合店にはない独自商品を創出したことによる自信と誇りが、従来にも増したサービス姿勢を磨く契機となっている。