新たな事業モデルを構築！運輸事業に農業を取り込み売上拡大
昭和48年に創業した運輸業者。令和5年に事業承継を完了。前代表が個人事業として営んでいた「農業」を「農業部門」として運輸事業に取り込み、既存事業との相乗効果を生み出すよう経営革新を推進中。
有限会社 北陸旭輸送
代表者:天池 恒善（あまいけ ちかよし）
住 所:〒939-1758 富山県南砺市641-5
連絡先:0763-52-1155
URL:https://hokurikuasahiyusou.jp/
昭和48年に創業した運輸業者。令和5年に事業承継を完了。前代表が個人事業として営んでいた「農業」を「農業部門」として運輸事業に取り込み、既存事業との相乗効果を生み出すよう経営革新を推進中。
有限会社 北陸旭輸送
代表者:天池 恒善（あまいけ ちかよし）
住 所:〒939-1758 富山県南砺市641-5
連絡先:0763-52-1155
URL:https://hokurikuasahiyusou.jp/
目次
- 相談のきっかけ
- 課題
- 支援内容
- 支援の成果
相談のきっかけ
父からの事業承継をきっかけに新たな経営革新を目指す
相談者は令和5年に父から事業承継して同社代表に就任。その際に、父が個人事業で営んでいた農業を同社事業へ取り込む新たな事業形態を考案。まず、組織強化のため人材確保と育成に注力。手始めに、国の賃上げ要請に先んじて思い切った給与アップをしたところ、先代への退職金もあり人件費が業績を圧迫する結果となった。新事業展開による経営改善と経営革新を目指すために訪れた南砺市商工会から当拠点を紹介され、今回の相談に至った。
課題
運輸事業と農業分野の強みを活かせず収益化に苦戦
コロナ禍の物流停滞、人件費負担や暖冬による計画外の収益減が続くなか、震災による農業資材輸送の停滞なども営業収益の妨げとなっていた。一方、農業分野を事業収益に加算する経営体制にしたものの、農産物の単価では売上拡大に貢献するにはほど遠い金額であった。新たに実施した農業分野の強化、人材の補強も目立った成果が得られていない状況であった。そこでSCCOは、成果が出ていない要因を探ることから支援を開始。分析の結果、運輸事業の強みも農業分野での強みも収益化する有力な販路がなかったこと、戦略的に高収益作物の選択がされていなかったことが課題として浮かび上がってきた。
支援内容
農産物の販路拡大と運輸事業の独自性強化で収益アップ
SCCOは相談者の構想実現に協力すべく、四つの支援を実施した。一つ目は、販路として有力なJR西日本に農産物加工品を供給するなど、既存販売チャネルの活用の提案。干し柿や干し芋を戦略品として売上拡大を目指した。二つ目は、付加価値が高い農作物栽培への特化の提案。鮮度の違いで品質に差が出るアスパラガスに着目し、運輸事業を活用しながら、鮮度の高さを武器とした配送体制強化を図った。三つ目は、運輸事業の独自性の強化。価格競争下において、定期便の確保では低価格化を強いられるため、他社が忌避する農林事業周辺業務など特殊分野に傾注するようアドバイスした。四つ目は、補助金利用による農業資材の補強や県の経営革新計画認定による設備投資の促進などの提案。そこで取得したドローンを農業関連受注に活用できるようサポートした。
支援の成果
農産物の売上急増により業績改善に成功
販売強化作物としたアスパラガスの売上は令和5年度には290万円だったが、運輸事業の迅速配送と特定選別市場配送体制の構築により、令和6年9月時点で300万円を超えることに成功。その他の農産物加工では補助金を活用して準備を進めており、当年度は2,000万円余りの売上を見込んでいる。運輸事業との相乗効果によって、前年同期比（1～8月）では9,126万3,000円であった売上が、今期は1億228万7,000円を計上するに至っている。
● 農業と運輸事業で相乗効果を生む仕組みの提案
● 補助金活用と現場で必要な設備の取得をサポート
● 独自性と収益力の同時実現を図るためのアドバイス
事業承継を機に、独自性を工夫することによって自社を取り巻く厳しい環境を有利に転換させることを模索してきました。商工会やよろず支援拠点双方からのご支援によるアドバイスが自身の経営発想を具体化させ、異種事業を組み合わせる相乗効果を強化するきっかけになったものと実感しています。