補聴器需要の開拓が契機 看板リニューアルと店舗改装により補聴器の前年比売上高170%を達成
昭和59年に眼鏡・時計・貴金属の小売業として創業。現代表は平成16年から事業に参画、5年後の平成21年に父親である先代から事業を引継いだ。同社の主要取扱商品は眼鏡、補聴器で一部時計も取り扱う。鳥取県の旧気高郡(鳥取市気高町、青谷町、鹿野町)を商圏とする。
代表者:水田 祐二(みずた ゆうじ)
住 所:〒689-0333 鳥取県鳥取市気高町新町1丁目13-1
連絡先:0857-82-2043
同店は、地域に密着した眼鏡店として営業を続けていたが、大型量販店の出店や安価な商品の流通など時代の変化に伴い苦境に立たされていた。事業を見直すべく商工会などに相談し、「信念をもって事業をする事」の重要性に触れたことで、地域に暮らす人の快適な暮らしを支え、応援したいとの思いから、補聴器の取扱いに力を入れていくことを決意。商工会の支援を受け、鳥取県の産業成長応援補助金を活用して聴力測定室を設置する計画とした。「聴こえる」を提供する店舗になることを決意し、商工会からの紹介を受け当拠点へ訪れた。
CCOは店舗を訪問し現状を分析。店名が「”メガネ”のみずた」であり、看板も古く、同店が補聴器を取り扱っていることが顧客に広く認知されていなかった。また、店舗内も雑然としており、顧客がゆっくりと商品を選べる雰囲気ではなかった。そこで、地域の「見える」と「聴こえる」を守る、快適な生活をサポートする旨を伝えられるような看板のリニューアルを提案。顧客が気軽に店内に入りやすく、ゆっくりと悩みを相談できる空間づくりを課題とした。
デザイナーのCOが看板デザインの支援を担当し、「見る」と「聴く」をアイコンで表現。同店がメガネと補聴器を取り扱っていることを、顧客がひと目でわかるようにした。また、相談者自らの家族をモチーフにすることで地域に暮らす人々を応援したいという想いが伝わるデザインとした。さらに、一級建築士であるCCOが店舗改装の支援を担当。工事費を抑えつつ顧客導線を最適化できる聴力測定室の設置を提案。事務スペースを顧客から見えないようにするなど、雑然とした雰囲気を一掃し、広く明るい店内となった。
令和3年7月時点で補聴器の売上高が前年比170%を達成。これに加え、相談者は眼鏡など他商品の売上の伸びも実感している。当初は地域包括ケアシステムと連動して高齢者施設などを訪問し、補聴器を必要とする高齢者にアプローチする予定だったが、コロナ禍の影響により、実現に至っていない。コロナ終息後は、積極的に訪問して高齢者の生活の質向上に貢献し、売上・利益向上を図っていく。
看板リニューアルでは、提案意図を製作業者にうまく伝えるように気をつけました。相談者自らがデザインのモチーフをイメージできたことが大きかったです。店舗改装においては、店内に鎮座するスチール製の物置の移動先を確保して撤去できるかどうかが最大のポイントでした。
商工会とよろず支援拠点の連携によって、スムーズに看板リニューアルと店舗改装ができました。リニューアル後の看板は視認性が高く、地域の目印にもなり店舗の認知度向上に貢献しています。店舗改装後は、お客様を明るい店舗でお迎えできるようになり、私も楽しく商売ができています。導線が最適化されたことで、コロナ禍でも混雑せず、スムーズに接客対応が行えています。