コロナ禍の中、お店と変わらない味をお弁当で提供、宅配・テイクアウト売上200%アップ
1955年創業。地域に根差した人気の「お肉屋さん」が、1989年より本格焼肉レストランを開始。「本当においしい牛肉の提供」を理念とし、高級焼肉店として味に定評がある。東村山市の商店街に位置するが、広域客からの支持も厚い。「焼かない焼肉屋」をコンセプトとしたお弁当専門店も営む。
代表者:代表取締役 松本 賢一(まつもと けんいち)
住 所:〒189-0013 東京都東村山市栄町3-11-31
連絡先:042-397-4129
長年焼肉レストランを営業してきたが、焼肉チェーン店等の台頭で直近3年間は売上が右肩下がりであった。2017年に同店を継いだ相談者は、売上低迷をカバーすべく、当拠点の支援も受けて、駅ビル内にお弁当専門店を開設した。しかし、今回のコロナ禍で事業展開に改めて不安を抱き、売上回復を図りたいと、再度当拠点の支援を受けるに至った。
COが経営状況を分析したところ、緊急事態宣言により来店客が急減少する一方で、お弁当の宅配、テイクアウト需要が徐々に増加していた。さらに、企業の会議・接待という従来需要に加え、地元の消費者による購入も増えてきていることを把握。お弁当事業に軸足をシフトし、新たな顧客層を取り込んでいくことを決意した。そして、コロナ禍に対応したサービス・価格について、早急に検討・実践することを課題とした。
同店はコロナ禍以前からお弁当のテイクアウトを実施していた。また、長年の業歴で培ってきた地元でのブランド力もあった。そこでCOは、この機を捉え、いち早く宅配・テイクアウト事業を拡充することを提案。自粛生活に不安を抱える消費者のニーズは安心・安全であることを助言した。相談者は近隣にポスティングを実施。非接触型注文決済アプリを活用するなど、消費者に安心感を与える工夫を施した。
ポスティングと非接触型注文決済アプリにより、2020年3月~6月の宅配・テイクアウト売上は、前年同月比で平均200%アップとなった。同時期のレストランの売上は大きく落ち込んだものの、会社全体としては平均20%減に抑えることができた。長年地元で支持されたブランド力を生かしたことで、外食を自粛する消費者の間で同店のお弁当人気が高まり、TVメディアでの取材も受け、さらに多くの問合せを得た。
コロナ禍で特に外食産業は大きな打撃を受けています。同業者も苦境に陥るなか、相談者は不安を抱えていましたが、消費者の最大のニーズは安心・安全であり、自社の強みを最大限活用し、即時の決断と実行が大切と助言して、相談者の積極的な行動を促しました。
宅配・テイクアウトは、「焼かない焼肉屋」をコンセプトに、美味しいお肉を店と変わらない味で提供しつつ、省人化ビジネスモデルにも転換しました。利益の創出にはまだクリアすべき課題がありますが、アドバイスをいただけるのは本当に心強く思っています。