デジタルサイネージを活用した新事業
「多言語タッチパネル観光案内」の開発で売上10倍
代表者:松丸 昂平(まつまる こうへい)
住 所:栃木県宇都宮市中央三丁目1番4号 栃木県産業会館3階 宇都宮ベンチャーズ内
連絡先:028-616-8616
当拠点の実施機関が主催する「創業塾」を経て、デジタルサイネージ事業、コンテンツデザイン事業、ウェブサイト制作事業の3つを柱にして創業した相談者。デジタルサイネージ事業の強化に向けて、新たなアイデアを思い付いたが、どのように事業展開をしていけば良いか思い悩んでいた。そこで、ビジネスプランのブラッシュアップに向けて再度当拠点に相談に訪れた。
相談者のビジネスプランは「複数のデジタルサイネージをネットワーク化し、お客様を各店舗に回遊させ、広告効果を上げるモデル」というものであった。そのアイデア自体は面白く、理論的にも将来性があるとCoは分析。しかしデジタルサイネージは、すでに「ハード(機器)」を保有する大手企業が強みを生かして販売している市場。それに対し、同社は創業直後で様々な経営資源に限りがあり、大手企業と同じ戦略は取れない。そこで、相談者のビジネスプランの強みを発揮し大手企業に対抗するため、「販売ターゲットを明確化し、重点的に営業活動をすること」を課題とした。
また一方、同社の売上の半分近くを占めているコンテンツデザイン事業では、従業員であるデザイナーが産休に入るため人材採用も早急な課題となった。
Coは、地元の「日光」が全国有数の観光地でありながら、訪日外国人への「多言語案内」が充分ではないことに着目。「観光業界」を販売ターゲットとし、ホテルや旅館、土産店を中心に営業活動することを提案した。また、連携支援機関の商工会議所からは、観光協会との連携や実証実験などの実績データも必要とアドバイス。相談者はヒアリング調査を実施し、実証実験で判明した改善点を元に、「多言語タッチパネル観光案内」の商品開発を行った。
人材雇用の面では、急務ということで通常のハローワーク求人では難しいと判断。過去に当拠点が支援をしたことのある社会人向け専門学校とのマッチングを提案。デザインコースの卒業生を紹介してもらうことになった。
支援の結果、日光観光協会 鬼怒川・川治支部との連携を経て、相談者が開発した「多言語タッチパネル観光案内」の導入も決定。当初の目的であった第3回とちぎビジネスプランコンテストでは優秀賞、足利銀行賞のW受賞を果たし、知名度も向上。
創業時は顧客数3件と苦戦を強いられていたが、平成30年(12月現在)は創業時の平成28年比10倍の売上高を実現。雇用面では、約2か月という早さで後任デザイナーを採用できた。