自社商品開発で新規販路開拓を支援宿泊客も増加し、売上約122%アップ
相談者が営むペンションがある伊豆市土肥は、海水浴場が近く温泉もあることから、かつては観光地として賑わっていたが、近年は当地域自体の人口減少が進み、繁閑の差が激しくなっていた。当ペンションは本格的なメキシコ料理が食べられると地元では評判で、リピート顧客は多いが、高齢化により利用率は減少傾向。リピート顧客以外の利用も少なく、売上の低迷が続き、赤字が累積していた。何とか新規顧客を獲得し赤字を解消したい、と当拠点の相談に訪れた。
Coが分析したところ、周囲の宿泊施設のほとんどが主に海産物を提供する中、本場のメキシコ料理を提供する相談者のペンションは明確な差別化が図られており、顧客の評価も高い。特に自家製のハラペーニョ入りのジャムが人気で、直売所で試験販売すると完売するほどであった。しかし一方で、開業以降、特に営業活動を行ってこなかったため、新規顧客が少ないという問題があった。そこでCoは、「ペンションの強みである自家製ハラペーニョ入りジャムを収益の柱とし、広く周知して新規顧客開拓につなげ、売上拡大を図ること」を課題とした。
まずは相談者が開発したハラペーニョ入りのジャムの宣伝と販路を拡大するため、ホームページでの情報発信やイベントへの出展で広くアピールすることを提案。相談者は、小規模事業者持続化補助金を活用して、自社ホームページを大幅に改修し、ハラペーニョ商品の周知を図った。その際Coは、英語のページも作成し、海外からのアクセスにも対応できるようアドバイス。その他、伊豆市商工会等が開催した伊豆地域の名産品を集めた商談会兼物産展への出展もアドバイスした。
物産展の出展をきっかけに、観光施設の土産物店に納品が決定。そこでハラペーニョ商品を購入した顧客が、当ペンションのメキシコ料理を求めて宿泊するなど、本業である宿泊業への相乗効果も表れた。その結果、自社製ハラペーニョ商品の販売を開始してから売上は122%アップ。さらに、英語とスペイン語が通じる宿として外国人観光客の口コミが広まり、先日、英語版旅行ガイドブック「ロンリープラネット」に伊豆地域で初めて掲載され、英語やスペイン語での予約も増加している。